発行日 : 2007年01月23日

今シーズンの花粉量“少ない”も、局地的には多い日も

花粉を自宅で観測する100家族を募集

~ 観測機を使って自宅で花粉症研究、参加家族の協力のもとで花粉症対策 ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、インターネット向け・携帯電話向け両サイトにて、2月1日(木)から花粉情報を開始します。この度の開始に伴い、1月23日(火)から1月26日(金)まで、花粉症状を持つ家族100組を全国から募集します。家族100組には、花粉観測機を自宅に設置いただき、花粉の飛散と症状を観測してもらいます。観測された情報は花粉情報内で、サイトを利用する花粉症の方々に役立つ情報として提供されます。


昨年に続き、今年の花粉飛散量は、全国的に“例年並”か“例年より少なく”なる見込みです。しかし、花粉症の方にとっては、花粉が少ないシーズンでも、その症状には頭を悩まされます。ウェザーニューズでは、花粉症に悩む人が、花粉情報を活用することで、少しでも楽にシーズンを乗り切れるよう、この度、花粉情報の提供を開始します。花粉情報では、“その日に花粉がどのくらい飛ぶか”の飛散予測はもとより、“現在どのくらい花粉が飛んでいるか”のリアルタイムでの飛散リポート、“花粉飛散でどのような症状がでるか”の症状リポートを提供します。花粉コンテンツは花粉症状を抱える全国100家族の協力をもとに情報提供するもので、“みんな”に役に立つコンテンツを“みんな”と共に創る点が特長です。花粉における一般参加型の取り組みは、今回で3回目となり、今までに200家族に協力いただきました。

花粉症家族100組で花粉観測

全国100組の花粉症家族は、一家族一家族が『花粉研究員』として、ウェザーニューズが開発した花粉自動観測機(無料貸与)[※右写真]を自宅に設置し、「花粉飛散量」と「花粉症症状」をリポートします。「花粉飛散量」はインターネット回線を通して、各サイトに自動的にリポートされます。一方の「花粉症症状」は、携帯電話を使い、“くしゃみ”“鼻水”“目のかゆみ”などの具体的な症状、回数、つらさなどを1日1回リポートします。これらリポートデータは、リアルタイムで各サイトに公開されます。買い物や出張など際には、「花粉飛散予測」に加えリアルタイムで確認できる「花粉飛散量」で、行き先の飛散量に応じた対策を取ることができるほか、リポートされた「花粉症症状」を参考に症状の特徴や傾向を把握し、服装などの対応を考えることができます。


従来の花粉の観測では、地元の病院や特定の研究機関など、観測の範囲を限って行われることが多いため、今回のような100観測地(100家族)で行う花粉観測は最大級のものと言え、花粉飛散量データだけでなく、花粉の症状をリアルタイムで公開する試みは全国でも珍しいものといえます。今回、全国100組の花粉症家族の協力をもとに収集した「花粉飛散量」と「花粉症症状」のデータは、ウェザーニューズが持つ「気象」のデータと照らし合わせ、それぞれの項目がどのように影響しあうかを分析します。そして、これら分析結果は、一人ひとりカスタマイズされた花粉症状予測を行うための研究・開発に活用します。

2007「花粉研究員」募集要項

募集数   : 100家族 [※各都道府県から1家族、首都圏から50家族]
応募方法  : 携帯サイト「ウェザーニュース(月額105円)」から必要情報を入力
応募サイト : 携帯電話向けサイト:http:wni.jp/
応募条件  :1. 花粉症の方、または家族に花粉症の方がいる方
       2. 携帯サイト「ウェザーニュース」に登録している方
       3. 地域の代表として、毎日かかさず携帯電話で症状の報告が出来る方
       4. 設置条件を全て満たす方 [ブロードバンド環境が整っている。風通しがよく被雨
        しない場所が確保できる。屋外から屋内に接続ケーブルを通す穴がある]

2006年「花粉研究室」の結果

昨シーズンの2006年2月〜5月には、第2回「花粉研究室」として全国100家族の「花粉研究員」と共に花粉の観測に挑みました。第2回「花粉研究室」では「花粉」と「症状」に関するユニークな傾向が明らかになりました。


1. 花粉飛散量について
〜東に行くに従い少ない傾向。東京は前年の9割減、九州では3割減〜

一昨年(2005年)の夏は平年並みから高めの気温で推移しましたが、大量飛散となった2004年と比べると気温は低く、降水量が多く日照時間が少なかったため、花粉飛散量は全国各地で前年を大幅に下回りました。西日本各地では前年の6割〜7割程度の飛散量となり、関東以北に至っては前年の1割未満に留まる結果となりました。前年を100%とした場合の各主要都市における飛散量は、少ない順で「仙台…8%」「東京…9%」「千葉…11%」「松江…20%」「名古屋…30%」「大阪…38%」「福岡…72%」という結果が出ました。


2. 一日の飛散ピークについて
〜最も量が多いのは14時から15時のお昼過ぎ。関東と関西では1時間近い差あり〜

参加者の自宅に設置された花粉観測機から1時間おきに寄せられた花粉飛散量のデータでは、花粉飛散は、朝7時から正午にかけ増加し、14〜15時頃にピークを迎え、その後、減少傾向に変わっていくことが分かりました。地域ごとの飛散傾向の違いとして、下記のような特性が挙げらます。

  • 東のエリアほど増加するタイミングは早く、関東は7〜8時の時間帯に増加し、西は8〜9時の時間帯と1時間くらい遅くなる 
  • 関東は15時以降に減少傾向となるのに対し、西日本は19時頃まで飛散量が多い状態が続く。これは、シーズン末になると、日没までの時間が長くなるためと考えられる
  • 各地域で一時的に小ピークが夜に現れる。時間帯は「関東〜東海:16〜18時頃」「近畿:17〜19時頃」「中四国:18〜20時頃」「九州: 19〜21時頃」と日没が遅いため西ほど遅めの傾向となる。シーズンを通すと日が伸びる分、小ピークの時間も後ろへとシフトいていく

3.花粉症状について
〜7割が「楽だった」と回答。一方、西ではヒノキと黄砂の飛散で症状悪化の報告も多数〜

花粉研究室で行ったアンケートでは、「今年の症状を教えてください」との質問に対し、「治ったかも」「楽だった」と回答した『辛くない群』が7割近くを占めました。地域別に見ると『辛くない群』の割合が“北陸甲信越”は80%、“関東”は79%と高い割合を占め、その一方で、「非常に辛かった」「辛かった」と回答した『辛い群』が“中国”では54%、“四国”が52%と上回り、西に行く従い症状が辛いと報告する割合が高くなります。これはスギ花粉の後に飛散のピークを迎えるヒノキ花粉が、今年は例年と比べ東海以西で大量飛散したことに関係するものと思われます。また、これは記録的な大量飛散となった黄砂と重なり症状が悪化している可能性もあることが推測されます。


4.花粉の飛散条件について
〜大量でも少量でも、飛散には風が重要な要素。雨の日でも飛散可能性あり〜

『花粉飛散』と『天候』の関係には、「晴天」「気温高い」「風」「乾燥」のそれぞれの条件が揃うと急増する傾向があることがわかりました。「雨」が降ると飛散量は減少する一方、「雨」が降っても「強風」であると増加する傾向が見られ、「晴天」でも風がなければ飛ばない時があることが分かりました。

総合気象サイト「ウェザーニュース(URL:http://weathernews.jp/)」について

インターネット向けに提供する気象総合サイトで、「天気予報」「注意報警報」「雨雲レーダー」などの基本的な気象コンテンツはもとより、「台風」「地震」などの防災コンテンツ、「ゴルフ」「スキースノボ」などのレジャーコンテンツ、そして、「花粉」「桜」「紅葉」などの季節コンテンツなど気象に関するあらゆる情報をこのサイト一つで入手することができます。その他、自分だけのトップ画面にパーソナライズできる機能や、自分専用に天気予報をカスタマイズすることができるコンテンツ(有料月額315円)など、気象情報を活用しより快適に生活を送ってもらうためのサービスや取り組みを、日々スタートさせています。

携帯電話向けサイト「ウェザーニュース」について

ドコモ、au、ソフトバンクの携帯電話各社でサービスを利用することができる気象情報サイトで、現在、全国で約160万人が登録。月額105円で、天気予報を市町村単位のピンポイントで1時間ごとにチェックできるほか、地震、台風、落雷などの「防災コンテンツ」、桜、花粉、紅葉などの「季節コンテンツ」、釣り、ゴルフなどの「レジャーコンテンツ」、雨降りアラーム、地震メールの「メールサービス」など、生活に密着した約40の様々なコンテンツを利用することができる。また、各コンテンツでは、“季節・天気を楽しむ”をテーマに、サイト利用者参加型の取り組みなども多数行っている。

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。