発行日 : 2007年10月23日

(株)ウェザーニューズ

次世代の小型気象レーダーネットワークを開発するCASAプロジェクトメンバーに正式参加

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区 代表取締役社長:草開千仁)は、次世代の小型気象ドップラーレーダーネットワークを開発するアメリカのプロジェクト、CASA(The Center for Collaborative Adaptive Sensing of the Atmosphere)のメンバーの一員に加わりました。当社はこのプロジェクトのメンバーの一員として次世代のレーダー観測技術やその利用方法に関する研究・開発に参加し、それを基にした新しい気象サービスの実用化を目指します。

CASA(The Center for Collaborative Adaptive Sensing of the Atmosphere)とは、科学技術に関する研究開発に対して支援を行う、米国の連邦機関NSF(National Science Foundation:米国科学財団)のプロジェクトの1つとして、2003年に発足しました。CASAは、高性能な小型ドップラーレーダーを多数配置してネットワークを構成し、現在運営されているレーダーでは観測するのが難しかった突風や竜巻などの対流圏下層の現象を捉える観測システムの開発と、その利用方法の研究を目的としています。気象とレーダー技術の先駆的存在である4大学(オクラホマ大学、マサチューセッツ大学、コロラド州立大学、プエルトリコ大学)を中心とし、Vaisalaや、IBMなどの企業、US National Weather Serviceも参加する、産官学共同の研究開発プロジェクトです。
ウェザーニューズは、2004年、オクラホマ大学内の「リサーチキャンパス」内に運営および研究の拠点を開設して以来、オクラホマ大学と提携して世界最先端の気象技術の研究を行ってきました。とりわけ、近年注目されている突風や竜巻に着目し、こうした気象災害を軽減するための技術とサービスへの応用を研究してきました。今回、本プロジェクトに参加したのは、突風や竜巻の接近を予測し、事前に危険を知らせるサービスを実現するために、対流圏下層の局地的な現象を捉えることが出来るCASAのドップラーレーダーを用いることが最適であると判断したためです。

竜巻研究の世界的権威者であるオクラホマ大学名誉教授の佐々木嘉和氏は、「限られた観測データを基にし、科学的にストームの予測を開始してから半世紀が経った。現在では気象レーダー・衛星観測が加わり、高性能のコンピューターでデータ解析や予測、シミュレーションが行われるようになったが、時間、空間的に格段に高い解像度がないと正確な予測が出来ないことがわかってきた。CASAはそれができる有力な方法。今回、個々の人の立場に立って人命や財産を災害から守るウェザーニューズが、正式にCASAとの協力体制を組んだことは大変意義深い」とコメントをしました。また、CASAプロジェクトのコロラド州立大学教授Chandrasekar氏も、「CASAの技術力を証明できるユニークな機会と捉えており、非常にエキサイティングな挑戦だ」と、今回の参加に対する期待を表しています。


当社では、今後、プロジェクト内での研究開発を継続的に行いながら、航海、航空、道路、鉄道といった交通気象へのサービスを実用化するために、2010年頃までに日本国内の試験用レーダーの設置と試験運用の開始を目指します。

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。