発行日 : 2007年12月18日
来春の花粉飛散傾向発表
~ 今夏の影響で雄花が多く作られ、昨年比で2倍以上のところも ~
株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、2008年の花粉シーズンにおける全国および、各エリアの“スギ花粉”傾向を、本日12月18日(火)に発表しました。本発表は、花粉症に悩む方に、シーズンの花粉傾向を知ってもらい早めの対策を取ってもらうことを目的に行います。
スギ花粉の雄花は、前年の夏の気温が高いと多く作られ、気温が低いと少なくなります。2007年の6月の気温は高めで、梅雨入りは九州南部を除いて平年より1週間〜10日程遅くなりました。また、7月は一時的な冷夏、8月は猛暑で、その後も厳しい残暑が続きました。花粉のもととなる雄花の生産量は、一般的に7月の日照時間・気温・降水量をもとに予想しますが、最近の調査では6月〜9月の天候との相関が高いことがわかってきています。そのため、今年は6月〜 9月の日照時間・最高気温・降水量を気象の基礎データとして傾向を発表しています。その中でも日照時間は雄花生産量と関係が深いことがわかっていますが、これは光合成によって生産量が多くなるためだと思われます。また雄花の生産量、気象要素(日照時間・最高気温・降水量)とその期間の関係は地域によって違いがあると考えられます。よって来春の飛散量は、標高・地域差が比較的少ない日照時間に注目し、次に最高気温・降水量を重視して予測を立てています。更に、実際に雄花を観察していただいているウェザーリポーターの報告をみても、少なくとも2007より多いと推定でき、関東では過去5年間で2番目に多く、全国的には量は多いと予想しています。
花粉の飛散開始は、秋〜冬、冬〜春への気温の変化によって大きく左右されます。今年は11月後半からの冷え込みや来年1月に予想される寒気の影響から、飛散のタイミングを決定するスギの雄花の休眠は十分に行われると考えられます。また2月になると気温が高めで春の訪れが早くなると予想しています。更に関東や中部の一部の地域で微量ではありますが花粉の飛散も確認されているため、2月の暖かさで一気に飛散すると思われます。よって来春の花粉飛散の開始時期は、暖冬で、全国的に非常に早かった昨シーズンに比べると同じか遅めになりそうですが、平年に比べると早めになりそうです。ただ飛散開始時期は、1月に暖かい日が数日続けば予想より早く飛散が始まり、1月下旬に予想されている寒気が2月上旬まで長引けば、予想より遅く飛散が始まる可能性があります。
携帯サイト「ウェザーニュース」には、「サポーター」と呼ばれる有料会員が160万人おり、サポーターからは天気などに関する様々なリポートが日々寄せられています。下記の写真は、サポーターから寄せられた全国の『雄花リポート』で、これらの情報は、きめ細かい貴重な実況値として、飛散予測などに役立てられています。
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11月13日 岩手県花巻市 |
11月19日 千葉県成田市 |
12月8日 群馬県沼田市 |
11月13日 静岡県磐田市 |
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12月8日 福井県福井市 |
11月27日 奈良県桜井市 |
11月22日 高知県土佐市 |
12月8日 長崎県長崎市 |
各エリアの傾向 |
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エリア |
花粉量(前年比) |
飛散時期(前年比) |
北海道 (シラカバ花粉) |
数倍多い(過去5年で最も多い) |
遅め |
北海道の6月〜9月の最高気温、日照時間は過去5年間で最高になりました。7月の気温は例年より低めでしたが、夏〜初秋にかけては全般に高めの傾向で、最高気温が観測開始以来、もっとも高くなった所もありました。また最高気温が35度以上の猛暑日を観測した地点もありました。6月〜8月の日照時間は多め、降水量は少なめで、日照時間は記録的に長い所や降水量も記録的に少ない所もあったのが特徴的です。 また2007年のシラカバ花粉飛散数は少なく、過去最低となった所もありましたが、これは前年6月の気温が低く、日照時間が短かったためだと考えられます。今年の6月は気温も高く、日照時間も長かったため、来春の飛散は、2007年の数倍多く、過去5年で最も多い飛散になりそうです。シラカバの飛散開始は、3月の気温に大きく影響されると考えられますが、来年は春の訪れが早くなると考えられるため、早ければ4月上旬くらいに飛散が開始するものと思われます。 |
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東北北部 |
2倍以上(過去5年で最も多い) |
遅め |
東北北部の6月〜9月の最高気温、日照時間は過去5年間で最高になりました。7月の気温は例年より低め、日照時間も短めでしたが、夏〜初秋にかけては全般に気温は高め、日照時間は長めの傾向で、最高気温が観測開始以来、もっとも高くなった所もありました。降水量は6月〜8月で少なめでした。 来春の飛散は、少なくとも2007年の2倍以上で、過去5年間で最も多くなりそうです。 飛散開始は異常に早かった2007年に比べると遅くなりますが、春の訪れは早くなると考えられるため、3月上旬には飛散が開始するものと思われます。 |
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東北南部 |
2倍以上(過去5年で2番目に多い) |
遅め |
東北南部の6月〜9月の最高気温、日照時間は過去5年間で最高になりました。7月の気温は例年より低め、日照時間も短めでしたが、夏〜初秋にかけては全般に気温は高め、日照時間は長めの傾向で、最高気温が観測開始以来、もっとも高くなった所もありました。降水量は6月〜8月で例年並から多めでした。 来春の飛散は、少なくとも2007年の2倍以上で、過去5年間で2番目に多くなりそうです。過去5年間で一番多く飛散したのは2005年の春ですが、その年の半分程度の飛散も考えられます。飛散開始は異常に早かった2007年に比べると遅くなりますが、春の訪れは早くなると考えられるため、2月下旬には飛散が開始するものと思われます。 |
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関東 |
2倍以上(過去5年で2番目に多い) |
ほぼ同じ |
関東の6月〜9月の最高気温、日照時間は過去5年間で2番目に高い値になりました。7月の気温は例年より低め、日照時間も短めでしたが、夏〜初秋にかけては全般に気温は高め、日照時間は長めの傾向でした。特に8月〜9月は記録的な高温で、埼玉県熊谷では40.9℃と国内最高気温を更新するなど、観測開始以来、もっとも高くなった所もありました。降水量は6月〜8月で例年並から少なめでした。 来春の飛散は、少なくとも2007年の2倍以上で、過去5年間で2番目に多くなりそうです。過去5年で一番多く飛散したのは2005年の春ですが、その年の半分程度の飛散も考えられます。春の訪れは早くなると考えられるため、飛散開始は早かった2007年とほぼ同じくらいで、2月上旬と思われます。 |
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北陸・甲信北部 |
同じ〜やや多い (過去5年で2番目に多い) |
遅め |
北陸の6月〜9月の最高気温は、過去5年間で2番目に高く、日照時間は過去5年間で3番目に多くなりました。7月の気温は例年より低め、日照時間も短めでしたが、夏〜初秋にかけては全般に気温、日照時間共に例年並か高めの傾向でした。降水量は6月〜8月で例年並、9月が少なめでした。 来春の飛散は、2007年よりやや多めですが、一部エリアではほぼ同じくらいで、過去5年間で2番目に多くなりそうです。過去5年で一番多く飛散したのは2005年の春ですが、その年の3分の1以下と考えられます。飛散開始は異常に早かった2007年に比べると遅くなりますが、春の訪れは早くなると考えられるため、2月中旬には飛散が開始するものと思われます。 |
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東海・甲信南部 |
2倍程度(過去5年で2番目に多い) |
ほぼ同じ |
東海の6月〜9月の最高気温は、過去5年間で3番目に高く、日照時間は過去5年間で2番目に多くなりました。7月の気温は例年より低め、日照時間も短めでしたが、夏〜初秋にかけては全般に気温は高め、日照時間は長めの傾向でした。特に8月〜9月は記録的な高温で、岐阜県多治見では40.9℃と国内最高気温を更新するなど、観測開始以来、もっとも高くなった所もありました。降水量は6月〜8月でほぼ例年並でした。 来春の飛散は、2007年の2倍程度で、過去5年間で2番目に多くなりそうです。過去5年間で一番多く飛散したのは2005年の春ですが、その年の半分程度の飛散 が考えられます。春の訪れは早くなると考えられるため、飛散開始は早かった2007年とほぼ同じくらいで、早ければ2月上旬と思われます。 |
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近畿 |
やや多い〜同じ (過去5年で2番目に多い)
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ほぼ同じ |
近畿の6月〜9月の最高気温は、過去5年間で3番目に高く、日照時間は過去5年間で2番目に多くなりました。7月の気温は例年より低め、日照時間も短めでしたが、夏〜初秋にかけては全般に気温、日照時間は例年並か高めの傾向でした。降水量は6月〜8月で例年並から多めで、9月が少なめでした。 来春の飛散は、2007年よりやや多めで、一部エリアではほぼ同じになり、過去5年間で2番目に多くなりそうです。過去5年間で一番多く飛散したのは2005年の春ですが、その年の半分程度と考えられます。春の訪れは早くなると考えられるため、飛散開始は早かった2007年とほぼ同じくらいで、2月10日前後と思われます。 |
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山陰 |
ほぼ同じ |
ほぼ同じ |
山陰の6月〜9月の最高気温は、過去5年間で3番目に高く、日照時間は過去5年間で2番目に少なくなりました。7月の気温は例年より低めでしたが、夏〜初秋にかけては全般に気温は高めの傾向でした。また日照時間は全般に短めでしたが8月だけ長く、降水量は多めでしたが9月だけが少なめでした。 来春の飛散は、2007年とほぼ同じくらいになりそうです。春の訪れは早くなると考えられるため、飛散開始は早かった2007年とほぼ同じくらいで、2月10日前後と思われます。 |
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山陽 |
やや多い〜同じ |
ほぼ同じ |
山陽の6月〜9月の最高気温、日照時間は過去5年間で3番目に高い値になりました。7月の気温は例年より低め、日照時間も短めでしたが、夏〜初秋にかけては全般に気温は高め、日照時間は例年並か高めの傾向でした。降水量は、7月は多めでしたが、その他の月は少なめでした。 来春の飛散は、2007年よりやや多めか一部エリアではほぼ同じになりそうです。過去5年間で一番多く飛散したのは2005年の春ですが、その年の3分の1程度と考えられます。春の訪れは早くなると考えられるため、飛散開始は早かった2007年とほぼ同じくらいで、2月10日前後と思われます。 |
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四国 |
やや多い |
ほぼ同じ |
四国の6月〜9月の最高気温は、過去5年間で3番目に高く、日照時間は過去5年間で2番目に多くなりました。7月の気温は例年より低め、日照時間も短めでしたが、夏〜初秋にかけては全般に気温、日照時間は高めの傾向でした。降水量は7月は多めでしたが、その他の月は少なめでした。 来春の飛散は、2007年よりやや多めで、過去5年間で3番目に多くなりそうです。2005年・2006年の春には多く飛散しましたが、その年の半分程度と考えられます。春の訪れは早くなると考えられるため、飛散開始は早かった2007年とほぼ同じくらいで、2月上旬と思われます。 |
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九州北部 |
やや多い〜同じ |
ほぼ同じ |
九州北部の6月〜9月の最高気温は、過去5年間で一番高く、日照時間は過去5年間で2番目に少なくなりました。7月の気温は例年より低め、日照時間も短めでしたが、夏〜初秋にかけては全般に気温は高めでしたが、日照時間は8月以降に長めの傾向になりました。降水量は7月が多めで、その他の月は例年並から少なめでした。 来春の飛散は、2007年よりやや多めで、一部エリアではほぼ同じくらいで、過去5年間で3番目に多くなりそうです。過去5年間で一番多く飛散したのは2005年の春ですが、その年の3分の1〜半分程度と考えられます。春の訪れは早くなると考えられるため、飛散開始は早かった2007年とほぼ同じくらいで、2月上旬と思われます。 |
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九州南部 | やや多い |
ほぼ同じ |
九州南部の6月〜9月の最高気温は、過去5年間で一番高く、日照時間は過去5年間で3番目に多くなりました。7月の気温は例年並でしたが、その他の月は高く、日照時間は6月〜7月が短めで、8月〜9月が長めになりました。降水量は7〜8月で多くなっています。 来春の飛散は、2007年よりやや多めで、過去5年間で3番目に多くなりそうです。ただ2005年・2006年の春には多く飛散しましたが、その年の半分以上の可能性もあります。春の訪れは早くなると考えられるため、飛散開始は早かった2007年とほぼ同じくらいで、2月上旬と思われます。 |
下記データは、6月〜9月までの平均データです。
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2007 |
2006 |
2005 |
2004 |
2003 |
過去5年平均 |
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最高気温平均 |
日照時間合計 |
最高気温平均 |
日照時間合計 |
最高気温平均 |
日照時間合計 |
最高気温平均 |
日照時間合計 |
最高気温平均 |
日照時間合計 |
最高気温平均 |
日照時間合計 |
|
仙台 |
25.9 |
590 |
24.9 |
440 |
25.6 |
519 |
26.4 |
681 |
23.4 |
337 |
25.2 |
513 |
東京 |
29.0 |
617 |
28.1 |
403 |
29.0 |
537 |
30.1 |
721 |
27.5 |
442 |
28.7 |
544 |
名古屋 |
30.5 |
681 |
30.0 |
651 |
30.9 |
631 |
31.0 |
695 |
29.0 |
551 |
30.3 |
642 |
大阪 |
31.0 |
753 |
31.0 |
685 |
31.2 |
691 |
31.8 |
798 |
29.9 |
642 |
31.0 |
714 |
広島 |
30.4 |
706 |
29.8 |
699 |
30.4 |
756 |
30.6 |
721 |
28.9 |
671 |
30.0 |
711 |
福岡 |
30.7 |
679 |
29.6 |
683 |
30.7 |
681 |
30.5 |
721 |
29.1 |
630 |
30.1 |
679 |
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