発行日 : 2008年04月22日

日本の桜、全体的に「やや元気がない」

~ 『東京』は都市化影響で元気度高い!? 地域別では“西低東高”の傾向 ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、桜を通して春を楽しむ企画「さくらプロジェクト」の一環で実施した『花数調査』の調査結果をまとめ発表しました。『花数調査』は、一般の方と共に桜を守る『桜レスキュー』の企画として、一つのつぼみに対する花の数量を数えることで、樹木の健康状態を調査する試みで、北海道・東北を除く東日本・西日本エリアで3月28日から全国1万8千人の桜モニターを対象に実施しました。今回の調査では、日本の桜は「やや元気がない」との結果が出た一方で、「東京」をはじめ「茨城」、「岐阜」などは比較的元気な桜が多いとの結果も同時に出ています。

携帯電話向けサイト「ウェザーニュース」
URL:http://wni.jp

花数調査の調査法

携帯サイト「ウェザーニュース」のサイト画面

〜花が6個以上咲いていれば、“とっても健康”〜

桜は、一つのつぼみから複数の花を咲かせる特徴があり、その花の数を数えることで健康状態が分かります。花数が多いほど、その樹木は健康だと言え、逆に少ないと健康でないと診断できます。ソメイヨシノの場合、「6個以上 = とっても健康」、「4〜5個 = 健康」、「3個以下=元気がない」を目安としており、調査では、樹木医の和田博幸氏(「財団法人日本花の会」主任研究員)の協力のもと、これらの診断基準を設け実施しました。今回の調査には、1,500名が参加し、桜が開花していた東日本から西日本を対象に実施しました。

花数調査の結果

〜桜の元気度は“西低東高”、東京の元気さは都市化の影響も〜

今回対象となった西日本から東日本での平均値は、3.7個と全体的に「やや元気がない」との結果が出ました。東日本では、平均値で4個前後が多数を占めましたが、西日本では、平均3.7個より低い県が目立ちました。中でも、3.5以下の元気がない県は、「広島」、「島根」、「香川」、「高知」、「宮崎」、「鹿児島」、「佐賀」と西日本に集中したのも特徴です。これは、西日本における「土壌環境」と「夏の降水量」の関係するものと思われます。一方で、東京では、花数の平均が4という数字が出ており、比較的、他県の桜と比べると多めの結果がでました。夜でも街が明るい日射や気温が高い都市化が影響している可能性があります。

西日本の桜の花数が少ない原因

■土壌環境

マサ土と呼ばれる花崗岩の風化土壌で、樹木の生育に関しては、関東の火山灰土(関東ローム層や黒ボク土)と比較してあまり適していません。マサ土は養分が乏しく夏場に乾燥すると固く締まり、長雨が続くと水捌けが悪くなります。


■夏の降水量

花量は花芽が形成される夏場の雨に影響します。「広島」では、花芽が形成される夏場の雨が少なく花数は少なくなったもようで、一方で、「高知」「宮崎」「鹿児島」などでは、降水量が多すぎて同様の現象が起きたことが考えられます。

各県の花数平均値

関東

茨城

4輪

中部

山梨

3.51輪

栃木

3.96輪

岐阜

4.1輪

群馬

3.88輪

静岡

3.94輪

埼玉

3.87輪

愛知

3.93輪

千葉

3.6輪

三重

3.95輪

東京

4輪

中国・四国

鳥取

4.01輪

神奈川

3.87輪

島根

3.2輪

近畿

京都

3.95輪

広島

3.25輪

滋賀

3.49輪

岡山

3.83輪

大阪

3.8輪

山口

3.71輪

兵庫

3.8輪

徳島

3.73輪

奈良

3.62輪

香川

3.26輪

和歌山

3.6輪

愛媛

3.8輪

九州

福岡

3.81輪

高知

3.54輪

佐賀

3.23輪

 

長崎

3.8輪

熊本

3.6輪

宮崎

3輪

大分

4.1輪

鹿児島

3輪

『桜レスキュー』の概要

『桜レスキュー』では、参加者が携帯電話サイト「ウェザーニュース」内の専用ページに、桜の木に付く花の個数を入力することで、自分の観察する桜の木が健康であるかどうかについて、その場ですぐに知ることができます。サイト内では、桜の健康を取り戻すための治療方法なども掲載しており、土にマッサージを加えることで桜の樹木の健康を取り戻す方法などを写真付きで紹介しています。この取り組みに参加するには、“桜モニター”への登録が必要となります。この『桜レスキュー』の取り組みは、今後も継続的して実施する予定で、“桜モニター”に参加する人たちと一緒に日本の桜を一本でも多く残していくための活動を展開します。


ウェザーニューズでは、「さくらプロジェクト」を通し、桜を楽しむ方々をサポートする様々なコンテンツを多数展開しています。

携帯電話向けサイトについて

ドコモ、au、ソフトバンクの携帯電話各社でサービスを利用することができる気象情報サイトです。月額105円で、天気予報を市町村単位のピンポイントで 1時間ごとにチェックできるほか、地震、台風、落雷などの「防災コンテンツ」、桜、花粉、紅葉などの「季節コンテンツ」、釣り、ゴルフなどの「レジャーコンテンツ」、雨降りアラーム、地震メールの「メールサービス」など、生活に密着した約40の様々なコンテンツを利用することができる。また、各コンテンツでは、“季節・天気を楽しむ”をテーマに、サイト利用者参加型の取り組みなども多数行っている。URL:http://wni.jp

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。