発行日 : 2008年06月27日

市民参加型の気象観測プロジェクトが千葉県柏市で始動

~ 市民の体感/被害リポートに加え、市内に約50台の気象観測機 ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、個人や地域のコミュニティーでの減災意識を高め、被害を軽減することを目的に、日本で初めて市民主体による“減災”の取り組み『減災ラボ with かしわ』を6月27日(金)より、千葉県柏市において開始します。『減災ラボ with かしわ』は、市民で創る観測ネットワーク『かしわの気象をはかるプロジェクト』を活用し、大雨や暴風などのシビアな気象時に自宅にどのような影響があるかや、通勤、通学の際に使用する身近な道路の影響などの情報を収集・共有し、個人やコミュニティーレベルでの“減災”について柏市民と一緒に考える取り組みです。


*『かしわの気象をはかるプロジェクト』について

『かしわの気象をはかるプロジェクト』は、今までに無いきめ細かな観測網で、柏市を中心とした気象を観測するプロジェクトで、当社及び、千葉大学、かしわ環境ステーションとの3者で、柏市民の協力をもとに構築されたものです。また、当社で柏市や我孫子市をはじめ、周辺自治体や企業の協力のもとに設置した各市内の観測機のデータも使用します。この観測ネットワークは、最終的に50台規模での観測をおこなう予定で、“気象と環境”や“気象と健康”などの関係を調査する試みにも活用します。 


今年は、関東で昨年より20日も早い6月2日に梅雨入りしました。梅雨時期になると、毎年、各地で大雨による水害が多くなります。大雨による水害の中でも、局地的な集中豪雨が原因となるものは、“局地的”であるため従来の気象観測網では捉えきれない場合があります。局地的な集中豪雨が発生した際、その情報を的確に把握し、素早く対応することが減災活動の鍵となります。ウェザーニューズでは、この度、「自宅近くの側溝が水で溢れやすい」や「道路に水溜りが出来やすい」など水害に悩む方が多い柏市民と共に、きめ細かな気象観測を行い、その情報を共有する『減災ラボ with かしわ』取り組みを開始します。

『減災ラボ with かしわ 』

〜 かしわの気象をはかる〜

『減災ラボ with かしわ』は、従来には無いきめ細かな気象観測網で、個人の身近な“減災”に役立てていく試みです。今回、市民の協力をもとに設置する気象観測機は、無償で貸与し、“雨量”“気温”“風速”“風向”“気圧”などが観測できるもので、最終的に50台の観測機を千葉県柏市内及び、周辺に設置する予定です。これほどの規模のきめ細かい観測は、類をみなく、今まで把握することができなかった、観測情報を収集することができます。観測情報はインターネット回線を通じてリアルタイムで送信され、『減災ラボ with かしわ』専用サイトにて、会員に対し提供します。専用サイトではリアルタイムでの気象情報の他、過去の気象データや観測機設置者からの現地リポートも確認することができます。


〜みんなの“減災リポート”〜

減災ラボ with かしわ』では、きめ細かな気象情報の他に、「水溜まりができた」、「風で植木鉢が倒れた」など、気象が原因で起きた身近な現象や被害をパソコンや携帯電話からリポートする『減災リポート』の試みも行います。これらのリポート情報は貴重なデータとして蓄積され、発生時の気象条件との関係を記録します。さらに、これら情報を地図上に記録し『減災マップ』も作成し、サイト上にて共有します。『減災リポート』は観測機を設置している参加者だけでなく、携帯電話利用者なら誰でも参加することができます。


〜 自分専用の減災情報を入手できる“減災ソリューション”〜

『減災ラボ with かしわ』では、観測された気象データや『減災リポート』をもとに、携帯電話向けのメールサービス“減災ソリューション”を会員は受け取ることができます。 “減災ソリューション”は、あらかじめ個人の被害が起こりうる条件を設定しておくもので、自宅での浸水、近所の道路の冠水など、被害になり得る天候状況に達した際に携帯メールでお知らせします。このメールは自分だけでなく、家族や友人にも共有することができます。


ウェザーニューズでは『減災ラボ with かしわ』を通して、一般の方と共に、個人一人ひとりの減災意識を高め、自らが主体的に情報を収得し、減災活動に役立てる『自助』及び、地域やコミュニティー内でおこなわれる『共助』の活動の輪を今後も広げていきます。


『減災ラボ with かしわ』に参加する柏市の鹿毛剛氏は、「私の住んでいる増尾台自治会やお隣の加賀町会では、 過去に数回、床下浸水の被害を受けています。 雨量の観測で減災に役立つことを期待しています。」とコメントしています。


また、『減災ラボ with かしわ』の協力3者のうちの一つ千葉大学代表で助授の野田勝二さんは、「本プロジェクトを通じて、多くの方に気象をより身近に感じていただければと思います。成果は、自助・共助、地域コミュニケーションだけでなく、環境、健康、そしてQOL(Quality of Life:生活の質)の向上に活用していきます。」とコメントしています。

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。