発行日 : 2008年06月30日

2008年花粉シーズンに関する傾向まとめ

~ 2008年は短期集中型で“花粉辛かった人”7割、前年の6割を上回る ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、 2008年花粉シーズンに花粉症の全国の200名と共に花粉観測を行う「花粉プロジェクト」の結果をまとめ発表しました。


携帯サイト「ウェザーニュース」のサイト画面

花粉プロジェクトは、花粉症状を持つ一般の方に参加いただき、「花粉飛散数」と「花粉症状」と「気象」の相関性を調査する取り組みです。花粉観測は、『ポールンロボ』と名付けられた観測機(無料貸与)を参加者の自宅などに設置し実施しました。『ポールンロボ』は、空中に舞う花粉を検知し、“花粉量”をウェザーニューズに自動送信するほか、“気温”・“湿度”・“気圧”などの「気象」に関する情報も観測します。また、参加者からは、“くしゃみ”“鼻水”“目のかゆみ”などの「花粉症状」を携帯電話でリポートしてもらいました。「花粉プロジェクト」で収集した「花粉飛散量」と「気象」と「花粉症状」はそれぞれの相関性を分析するとともに、今回の発表には15,000人からの花粉シーズンに関するアンケート結果を加え分析を行っています。

2008年の花粉飛散傾向

前年の2007年に比べ2倍の飛散量と予測された2008年は、当初の予想通り、多くのところで2倍の飛散量を観測しました。全国各地に共通した傾向としては、ピークが短期間に集中する「短期集中型」の花粉飛散です。これは、2月の気温が低く推移したため、スギ花粉の飛散開始が遅れたのに加え、極端な寒の戻りがなかったことから、まとまって飛散しました。下記は各都市の飛散量のグラフです。


札幌

札幌

青森

青森

仙台

仙台

仙台

金沢

長野

長野

東京

東京

名古屋

名古屋

大阪

大阪

広島

広島

高知

高知

福岡

福岡

2008年は、飛散の短期集中で、7割の人が「花粉症状は辛かった」と回答

2008年の症状としては、「非常に辛かった」と回答した人が、前年の2007より12%多く、30%に達しました。一方で、「楽だった」と回答した人が前年より13%少ない23%になったことから、今年は花粉症の方にとって、昨年よりつらいシーズンであったことが分かります。これは、花粉量が前年より多かったことに加え、花粉の飛散が短期的に集中したことが要因として挙げられます。地域別に見ると、関東や東北地方、北海道では、花粉量が多く飛んだためその傾向が強く表れています。その他、男女と年代別で見てみると、過去3年連続して、女性が男性より症状が辛い傾向があり、理由として、妊娠・授乳中のため薬が飲めなかったなどがあり、年代別では、20代は症状が重く、年齢を重ねると共に、症状が軽くなる傾向が見られました。

過去3年間の花粉症状差

過去3年間の花粉症状差

今年の花粉症状(地域差)

今年の花粉症状(地域差)

今年の花粉症状(男女差)

今年の花粉症状(男女差)

今年の花粉症状(年代別)

今年の花粉症状(年代別)

気圧配置で花粉飛散のピーク時間が変わる(関東のみ)

花粉は晴れた日に多く飛ぶ傾向にありますが、同じ晴れでも高気圧に覆われた場合と、冬型の気圧配置の場合とで飛散のピークタイムが異なることが昨年に引き続き今年も明らかになりました。高気圧に覆われた場合は、朝7時から飛び始め、ゆっくりと増加し、16時くらいにピークを迎え、20時に徐々に収まります。一方、冬型の気圧配置の際は、朝7時から飛び始め、昼にかけて急増し、14時のピークに向を向かえ、20時に収まる傾向が見られました。この傾向は、昨年の実施において、同様の調査結果内容が判明しており、来年もこの傾向の実態調査を引き続き行っていく予定です。

高気圧に覆われた場合

高気圧に覆われた場合

西高東低の冬型の気圧配置の場合

西高東低の冬型の気圧配置の場合

2009年の花粉飛散予測

九州・中四国・近畿・北陸・・・・今年と比べ『同じ〜やや多め』
東海・関東・東北・北海道(シラカバ)・・・・今年と比べ『同じ〜やや少なめ』

2009年の花粉量は、今年の夏の日照時間と最高気温に左右され、日照時間が長ければ長いほど、6〜8月の気温が高ければ高いほど、「雄花」の量が多くなります。今年の夏の傾向は、太平洋高気圧の勢力が強いため、「晴れる日が多く、気温もかなり高くなる」見込みで、結果、来年の花粉飛散量は『多い』と予想されます。一方で、2008年の春の花粉飛散量は、北日本・東日本で、2007年と比べ「同じ〜やや多い」、西日本で、2007年と比べ「同じ」という結果になりました。これは、2007年の夏、雄花の生産量がやや多い傾向であったことを示しています。一般的には雄花の生産量が多い翌年は少なめ(=裏年) に、また、雄花の生産量が少ない翌年は多くなる(=表年)ことが知られています。これらを考慮し、2007年、雄花の生産量が多かったエリアでは、 2008年の夏が暑くても、雄花の生産量が極端に多くなることは考えられないため、東海・関東・東北・北海道では、今年と比べ『同じ〜やや少なめ』となる見込みです。

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

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