発行日 : 2008年07月03日

今年の台風発生数は“多く”上陸も“多い”可能性!

~ 梅雨明けは21日〜24日 夏は暑く、残暑長引く予想 ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、この度、本格的な台風シーズンを前に、今シーズンの『台風傾向』についてまとめ発表しました。


現在、台風は6号まで発生しています。今月20日〜24日にかけて各地域で梅雨シーズンが終わり、夏が到来する予想です。防災意識が緩むこの時期は、台風に対する防災意識を高め、そのための準備をしていかなければならない時期です。今回、ウェザーニューズでは、本格的な台風シーズンを前に、台風への防災意識を高めてもらうことを目的に、今シーズンの『台風傾向』をまとめました。また、同時に『夏傾向』、『梅雨明け時期』に関する予測も併せて発表いたします。

この情報は7月3日時点での情報になります。最新の台風情報は
携帯サイト:ウェザーニュース(URL:http://wni.jp)にてご確認ください。

『台風傾向』 〜発生数は昨年より多く、平年並か多め〜

今年の6月までの台風発生数は6個と平年に比べ多くなっています。本格的な台風シーズンが近づくにつれ、今後、台風の発生数は更に増加して、昨年と比べると“多く”、平年と比べると“並”か、“多く”なる見込みです。これは、夏の太平洋高気圧が例年よりも北に位置し、日本の南海上での高気圧の勢力が例年より弱くなっているためです。日本の南海上での高気圧の勢力が弱いと、気圧が低くなるため、台風が発生しやすくなります。また、日本の南海上で発生する台風は、日本に接近、上陸する可能性が高くなります。ただ、台風の発生エリアが日本に近いため、勢力が強い台風は少なくなる可能性があります。太平洋高気圧の位置が例年より北にあるのは、日本の南東海域(亜熱帯域)で例年より海面水温が高いためです。また、春まで発生していた熱帯域での海面水温が高くなるラニーニャ現象は終息して、これから秋にかけてはラニーニャでもエルニーニョでもない状態が続きます。過去の統計から見た場合、1990年代後半以降は、台風発生数の少ない時期に当たることがあげられますが、今年の台風発生数は“並み”か“多め”の予想です。今年の台風発生数はラニーニャでもエルニーニョでもない状態が続いて、10個の台風が上陸した2004年以来、多い年になりそうです。


■台風発生数(予想) 27〜30個くらい(平年26.7個)
■台風上陸数(予想) 3〜5個くらい(平年2.6個)

『夏傾向』 〜今年の夏は、残暑が厳しい〜

今年の夏は、ほぼ全国的に夏らしい暑さとなりますが、北日本では高気圧の勢力が強くなるため、例年よりも暑い夏になる可能性があります。梅雨明け直後は、全国的に一時的に夏空が広がりますが、その後、8月中旬のお盆の時期にかけて、上空の寒気の影響で、雷雨が続く時期がありそうです。この寒気の影響で一時的にやや気温が低くなる時期もありますが、冷夏になることはありません。8月下旬から9月にかけては晴れて暑い日が多くなります。残暑は厳しく長くなる予想ですが、北海道の秋の訪れは、ほぼ例年通りでしょう。

『梅雨明け傾向』 〜今年の梅雨明けは、20-24日〜

今年の九州から東北の梅雨明けの時期は、20日〜24日頃と予想しています。ただ、梅雨明けは西日本で早まる可能性があり、東日本や東北では遅れる可能性があります。西日本では、これから1週間くらいにかけて、高気圧が一時的に強まるため、来週明けにも九州や四国では梅雨明けの可能性がありますが、その後、再び梅雨前線が南下するため、西日本の梅雨明けは20日〜21日頃と予想しています。なお梅雨前線の動向にもよりますが、来週に梅雨明けがなかった場合でも、九州・四国・中国・近畿・東海の梅雨明けは、早ければ17日頃の可能性もあります。一方、関東・北陸・東北の梅雨明けですが、順調に行けば22 日〜24日頃になる予想ですが、太平洋高気圧の勢力が弱く、梅雨前線が停滞して梅雨明けが遅れる可能性もあります。この場合、7月下旬は梅雨寒となって、梅雨明けは29日〜31日頃となりそうです。

地域 梅雨明け 地域 梅雨明け
沖縄 6/17頃 (6/21頃) 近畿 7/21頃 (7/24頃)
奄美 7/2頃 (6/28頃) 東海 7/21頃 (7/27頃)
九州南部 7/20頃 (7/18頃) 北陸 7/22頃 (8/1頃)
九州北部 7/21頃 (7/23頃) 関東・甲信 7/22頃 (8/1頃)
四国 7/21頃 (7/23頃) 東北南部 7/22頃 (8/1頃)
中国 7/21頃 (7/23頃) 東北北部 7/24頃 (8/11頃)

※ ( )内は昨年の梅雨明け

<参考資料>

■台風の発生時期(平年値)
台風の発生時期(平年値)
■台風の発生時期(過去30年間合計)
台風の発生時期(過去30年間合計)
■台風傾向の発表について
当社では、日々、長期気象予測サービスの実用化に向けて取り組みをおこなっていますが、現在の気象予測の技術水準では、予測精度の誤差が大きくなる場合があります。この度の台風の傾向発表にあたり、気象機関や長期予報の有識者の複数の見通しを元に、総合的に見解を出しています。本リリースにおける情報につきましては、発表日における最新の見解になります。今後の最新の見解は当社の携帯サイト(http://wni.jp)にてご確認ください。

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