発行日 : 2008年07月08日
北極海航路支援を目指して
株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区 代表取締役社長:草開千仁)は、当社グローバルセンター(千葉市幕張)に、極域をはじめとした全世界の海氷データの収集・観測を目的としてグローバルアイスセンターを立ち上げ、7月1日より運営を開始しました。温暖化により極域の海氷面積が減少を続けている昨今、極域の経済活動に注目が集まると同時に、船舶の北極海航行の可能性も見えてきました。当社では、グローバルアイスセンターの運営を通じて、北半球をはじめとした世界のあらゆる海氷の情報を集約し、常時監視することで海氷の状況を把握し、今後、極付近を航行する船舶の安全運航を支援する予定です。
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北極海航路が実現すると現在の航路から航行距離(時間)が短縮され、燃費が大幅に削減されます |
北極海の海氷分布の状況
(グローバルアイスセンター解析による)
1.衛星による海氷解析情報
当アイスセンターでは、極軌道衛星により北極海を中心とした海氷をモニタリングし、極域全域にわたり国境を意識しない統一的な形で、船舶が航行する上で必要な海氷の実況を解析し、情報の提供を行う計画です。2.独自海氷予測システムI-SEE-ENGINE
当アイスセンターでは、独自海氷実況解析・予測システム「I-SEE- ENGINE」を用いて、2週間先までの海氷の予測データを生成します。海水温、海流などの海気象情報と氷の観測をもとに、海氷の移動や変形(Movement, Convergence and Divergence)のプロセスを扱う力学モデルと、海氷の生成や融解(Freezing and Melting)のプロセスを扱う熱力学モデルからなる「I-SEE-ENGINE」によって、2週間先までの海氷の密接度や厚さ、動きを予測する計画です。I-SEE-ENGINEによる海氷予測
1. 海運会社へのサポートの強化
当社では、今後海運会社が北極海航路の実験航海を実施する場合に全面的なサポートを予定しています。そして、当アイスセンターから海氷の情報を発信することで、北極海における船舶の安全運航に寄与できると確信しています。2. 海氷の視点からの温暖化モニタリングの実現
昨年は、北極海の氷の面積が観測史上最も小さくなりました。北極海の海氷の増減を当アイスセンターにて監視し、海氷分布を指標とした温暖化モニタリングの手法を確立させます。3. 海氷に対する一般の方々への啓蒙
当アイスセンターは、東京大学や千葉大学をはじめとした海氷の専門家とともに、取り組みを共創・共進させ、より高精度な海氷情報を発信していく予定です。そして、一般の方々を含む多くの参加者とともに極域の海氷の知見を広めていきたいと考えています。世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。