発行日 : 2008年09月16日

—The latest news from Global Ice Center—

観測史上初!北極海の両側(北東・北西)の海氷が消滅

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区 代表取締役社長:草開千仁)のグローバルアイスセンターでは、9月10日、北極海北東部のロシア側航路(北東航路)に沿って海氷が消滅していることを確認しました。先月18日、北極海北西部のカナダ側航路(北西航路)に沿って海氷が消滅し北極海の海氷が観測史上最も早く減少していることを当アイスセンターで確認しましたが、両側(北東・北西)の海氷が消滅したのは1978年に始まった衛星による観測史上初。地球温暖化による影響であると考えられます。
当アイスセンターでは、今後も北極海の海氷を監視するとともに、海氷の変化から見た地球の状態についての情報を提供していきます。

夏季の海氷の融解量が増加し、航路に沿って海氷のない状況になった北極海
(WNIグローバルアイスセンター解析)

北極海北東部ロシア側の海氷の状況

海氷の減少した北極海 9月11日現在
(WNIグローバルアイスセンター解析)

北極海北東部の海氷はここ2週間のうちに飛躍的に減少しました。タイミル半島付近は高気圧に覆われ、平均と比較し気温はプラス2.5度〜7.5度、海水温が0度〜プラス3度と高かったことが海氷の融解を促進したと考えられます。北極海北東側では航路に沿って引き続き融解が進んでおり、北東航路が初めて開通した2005年とほぼ同じとなり、観測史上2番目に少ない海氷面積となっています。

北極海全体の海氷の状況

北極域ロシア側の海氷面積の推移
(WNIグローバルアイスセンター解析)

北西航路のあるカナダ側、北極海西側では、8月下旬(8月27日)に2007年の最小面積を抜いて観測史上最小面積となりました。北極海全体では 2007年に次いで氷が少ない状態が継続しています。海氷の融解が2007年に迫る勢いで進んでいたため、観測史上最小面積となる可能性もありましたが、その後は横ばいの状態が続いています。


海氷面積が最小になる例年9月中旬頃を過ぎると、北極海周辺では気温・水温が次第に低下し、海氷の面積は増加に転じます。当アイスセンターでは、北極海の海氷が今後どう変化していくか、引き続き監視していきます。

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

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海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
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