発行日 : 2008年09月24日

従来の20倍の気圧情報の把握で、台風13号の“進路”・“勢力”解析に成功

~ 2,000名以上参加による合計1万件以上のリポートで進路・勢力解析を実施 ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、先週、日本列島に接近した台風13号において、台風による被害を少しでも軽減させるため、一般の方と共に展開する『ヘクトパスカルリポート』を行い、その結果についてまとめ発表しました。『ヘクトパスカルリポート』は、一般の方と共に気圧の感測を行う取り組みで、台風13号接近の際に呼びかけを行い合計2,000名以上が参加し、全国各地から寄せられたリポート数は合計で1万件以上に及びました。これは従来、把握できる気圧情報の約20倍の量にあたり、これまで3時間更新であった気象庁の台風進路予想を独自にリアルタイムで検証することが可能となる他、これまで予想が難しかった、細かいエリアでの上陸の有無、また詳細な風雨の強弱、時間帯などを正確に解析することに成功しました。

携帯サイト「ウェザーニュース」のサイト画面

ヘクトパスカルリポートによる気圧マップ

台風13号は、ゆっくりとした速度で日本に接近し、各地で記録的な豪雨を観測しながら、太平洋側に沿って進路をとりました。台風の進路は、進路上の海水の温度や、貿易風や偏西風などの風に左右され、なかでも、気圧の影響が特に大きいと言われています。台風の進路を解析する際、その解析には台風周辺の詳細な気圧状況把握が鍵となります。台風はその進路を取る過程で、向かう方向の気圧を下げながら進むため、台風周辺の気圧を把握することで、詳しい進路解析ができる他、台風の勢力に関しても同時に解析することができます。ウェザーニューズでは、台風による被害を少しでも軽減させるため、一般の方からの協力のもと、台風の進路解析を行う『ヘクトパスカルリポート』の取り組みを実施しました。『ヘクトパスカルリポート』は、全国の携帯サイト会員と、全国に設置された計測機「ポールンロボ」にて、全国の気圧を感測し、台風の進路・勢力を解析し、台風の影響を前もって把握する取り組みです。


今回、日本に接近した台風13号において、『ヘクトパスカルリポート』に2,000名以上が参加し、寄せられた気圧に関するリポートは1万件以上にも及びました。「ポールンロボ」は、ウェザーニューズが開発した花粉飛散量を感測することができる機器で、全国にある120台以上の、常時接続されたインターネット回線を通じ、ウェザーニューズにリアルタイムで気圧状況がリポートされました。これら『ヘクトパスカルリポート』によって、10分毎、 0.1hPa毎のきめ細かい“気圧マップ”の作成を実施し、台風の進路と勢力の解析を行いました。

ヘクトパスカルリポートの解析結果

日にち 時間 気圧マップ 進路/勢力に関するまとめ
9月18日 9時

〜鹿児島の南を通過〜
全国で最も気圧が下がったのは鹿児島県薩摩半島で、10時間で3〜4ヘクトパスカルの気圧下降。薩摩半島と種子島/屋久島間の気圧低下が最も激しかったため、台風はその間を通過するとの解析結果

15時 〜進路変わらず 〜
鹿児島と宮崎県の南部の気圧下降量が大きいことから引き続き北東方向に進むことが予測される。大隅半島の気圧下降が2〜4ヘクトパスカルと、薩摩半島と種子島/屋久島の間を通る場合の予想通りなので、九州上陸の可能性は低いとの解析結果
9月19日 9時 〜進路も強さも維持 〜
四国〜近畿の太平洋側で、緩やかな気圧の低下が見られることから、台風は太平洋岸に沿って進み、気圧変化の差が少なくことから勢力を維持したまま進むとの解析結果
12時 〜東海で気圧下降スタート 〜
東海地方で気圧の下降傾向が目立ち始め、関東地方でも気圧低下の傾向が始まり、進路は、上陸せずに紀伊半島の潮岬沖をかすめて進むとの解析結果
18時 〜勢力低下の傾向 〜
進行方向の関東において、本来下降するはずの気圧が上昇に転じ、通過中の東海でも下降ラインが鈍ってきているため、勢力の低下が見られるとの解析結果
23時 〜勢力弱まり始める 〜
伊豆半島・石廊崎では、数時間で、−8ヘクトパスカルと目立って気圧が下降し始めているが、三宅島や大島でも気圧下降が目立つため、依然として上陸の可能性は低く、千葉県の房総半島をかすめるとの解析結果
9月20日 1時 〜千葉房総への上陸はナシ 〜
0〜1時の間で関東の多くの地点で気圧が上昇に転じ、1〜2時の間では、関東の南ほど下がり方が大きく、特に三宅島では1時間で8ヘクトパスカルも下がっていたため関東上陸の可能性は非常に低いとの解析結果
4時 〜上陸ナシを実証 〜
2〜3時までは関東各地では気圧が下がっていたものの、3〜4時で上昇に変化した。この1時間半の間で房総半島に上陸することなく、関東から離れたとの解析結果

ウェザーニューズでは、台風による被害を少しでも軽減させるため、携帯サイトやインタネットサイトにて様々な台風情報の提供をおこなっています。台風情報では、『ヘクトパスカルリポート』の他に、“10分天気予報「台風モード」”や“交通情報”、“台風実況リポート”など約20のメニューを用意しています。今後も、より便利で安全な生活のためのサービス開発と提供を行っていきます。

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。