発行日 : 2009年04月06日
第6回桜開花予測発表
~ 札幌は5月2日、宮城は今週にも開花予定 ~
株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、本日、桜シーズン到来に向けて、北陸、東北、北海道を中心とした第6回開花予測を発表いたしました。開花予測の対象となった桜は、先月の2月16日から先週までに当社に応募があった桜(約1万5千本)が対象となっており、また全国1万5千ヶ所の最新の桜開花状況は携帯サイトにて、お花見名所を中心とした全国600か所の開花情報はインターネットサイトにて確認することができます。開花予測にあたっては、過去5年間に一般の方から寄せられた桜の開花状況に関する膨大な“観察リポート”、先週全国で一斉調査した“つぼみリポート”、今後の“気象状況の予測”などをもとに算出しています。なお引き続き、開花予測の対象となる桜木は当社携帯サイトにて募集をおこなっており、その桜木の開花日も随時発表していく予定です。本発表は、見頃が短い桜の開花時期を事前に知ってもらうことで、“日本の桜”を楽しんでもらうことを目的としています。
全国1万ヶ所の桜開花予想、及び桜の開花日申し込みは下記から確認できます。 | 携帯サイト「ウェザーニュース」 http://wni.jp |
インターネットサイト向けサイト「さくらCh」 http://weathernews.jp/sakura/ |
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~桜開花の時期~
近年、桜の開花は早くなっています。過去30年間の平均と5年間の平均を比べてみても全国的に早い傾向で、特に都心部でこの傾向が大きく、関東地方ではここ5年のうち30年間の平均より遅く咲いたことはわずか1年(2005年)しかありません。既に、開花した関東から西日本を過去5年平均と比べみると西日本ではかなり早くなっています。また関東方面は同じくらいかやや早くなりました。今後の開花予想を見ると、北陸地方で過去5年平均と比べて2、3日程度早く、北日本は記録的に開花が早かった昨年に比べると遅いですが、過去5年の平均と比べると2日程早い予報になっています。なお、桜の開花から見頃の時期は通常一週間程度ですが、今年は寒の戻りがあったため、中四国から近畿、東海、関東地方にかけては通常よりも開花から見頃までの日数が長く、2週間程度となりました。
~つぼみ調査による全国の桜の生長状況~
第6回つぼみ調査の結果、長野・福島・宮城では開花目前の“花びらが見えた”が続々と到着し、また、東北北部でもつぼみの緑の割合が増えたという報告が多く届き、着々と生長が進んでいることがわかりました。東北地方では、“先がピンクに”以上が15%から40%にアップ、“全体が緑に”以上は、35%から59%に達しました。
東北地方
前回との比較
東北地方
北部と南部の比較
北海道
前回との比較
*つぼみ調査について
当社では、先週の4月2日~4日の期間、全国の桜の生長状況を調べるため、全国の一般の方と共に“つぼみ調査”を行いました。つぼみ調査は、つぼみの状態を細かく把握することで、より精度の高い開花日を予報することができます。つぼみ調査におけるつぼみは“日当たり”、“枝”“生長度合い”などを基準に選び、7ランク別(まだ小さくて硬い、先が黄色に、先が緑に、全体が緑に、先がピンクに、頭が分かれ始めた、花びらが見えた)に写真と共に報告します。つぼみ調査は毎週定期的に行う予定で、毎週月曜日に最新の予報見解として発表していきます。
~開花に影響する気温の推移と予測~
<休眠打破期 12月から2月前半の実況>
桜の開花に大きく影響する「休眠打破」ですが、「休眠打破」は1日の平均気温が3度~9度くらいが、最も大きな効果があると考えています。今年は、ほぼ全国的に休眠打破は順調に行われていると分析しています。
<「成長期」 2月後半以降の実況と予測>
2月後半以降、全般に気温は平年並みか平年より高めとなりましたが、3月上旬までは関東地方では他の地方と比べ気温があまり上がらない日がありました。3月中旬から西日本、東日本は全般に気温は高めで推移し、初夏を思わせる陽気となった所もありました。ただ、3月下旬に入ってからは真冬並みの寒気が日本の上空に入り込んだため寒の戻りとなり、桜の生長は若干足踏みしていました。このため、中四国から近畿・東海・関東にかけて、見頃まで二週間程度かかりました。その後の気温は平年並みかやや高めとなる所が多く、北日本の開花は順調に進みそうです。なお、この先の気温傾向に予報と大きな差異が現れた場合には、予報よりも開花日が前後する可能性もあります。
~前回発表との相違点~
一般の方によるつぼみ調査の最新結果及び気象状況を反映させた結果、前回とほぼ同じ見解となりました。
当社では、通勤途中の桜や近所の公園の桜に目を向けてもらい、桜の様々な姿を楽しんでもらうため、つぼみから葉桜になるまでの桜の様子を携帯電話で観察する「桜モニター」を開始しています。現在、桜モニター登録者数は1万5千人を超え、これらの観察リポートは貴重な桜の実況データとして、天気の傾向と併せて今後の開花予測に活用されます。この観察リポートは携帯サイトとインターネットサイト上にすべて公開され、サイトを利用する人は、日本中の開花状況をリアルタイムで知ることができます。
※各県の予測地点は、気象庁等他機関が予測する地点と異なる場合があります。また、昨年および5年平均開花日は、一部を除き各地点への当社独自調査によるものです。全国1万地点に及ぶ開花日は弊社携帯サイトにてご確認いただけます。
エリア | 都道 府県 |
スポット名 | 開花 (5~6輪) | 見頃開始 (六分咲き) |
葉桜 | 昨年開花 | 5年平均 |
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北海道 | 北海道 | 北海道神宮 | 5月2日 | 5月5日 | 5月10日 | 4月21日 | 5月3日 |
東北 | 青森 | 弘前公園 | 4月21日 | 4月24日 | 4月29日 | 4月17日 | 4月23日 |
岩手 | 岩手公園 | 4月17日 | 4月20日 | 4月26日 | 4月12日 | 4月18日 | |
宮城 | 白石川堤 | 4月7日 | 4月10日 | 4月16日 | 4月7日 | 4月9日 | |
秋田 | 檜木内川堤 | 4月23日 | 4月26日 | 5月1日 | 4月18日 | 4月25日 | |
山形 | 霞城公園 | 4月12日 | 4月15日 | 4月21日 | 4月12日 | 4月15日 | |
福島 | 信夫山公園 | 4月6日 開花 |
4月9日 | 4月15日 | 4月6日 | 4月7日 | |
中部 | 山梨 | 大法師公園 | 3月24日 開花 |
3月28日 | 4月7日 | 3月28日 | 3月28日 |
新潟 | 県立鳥屋野潟公園 | 4月6日 開花 |
4月9日 | 4月15日 | 4月6日 | 4月8日 | |
富山 | 松川公園 | 3月31日 開花 |
4月4日 | 4月11日 | 4月2日 | 4月3日 | |
石川 | 兼六園 | 4月3日 開花 |
4月5日 | 4月12日 | 4月4日 | 4月4日 | |
福井 | 足羽山公園 | 4月1日 開花 |
4月3日 | 4月12日 | 4月4日 | 4月5日 | |
長野 | 松本城山公園 | 4月7日 | 4月10日 | 4月18日 | 4月13日 | 4月10日 | |
岐阜 | 養老公園 | 3月24日 開花 |
3月28日 | 4月6日 | 3月27日 | 3月31日 | |
静岡 | 駿府公園 | 3月24日 開花 |
3月31日 | 4月7日 | 3月24日 | 3月27日 | |
愛知 | 名古屋城 | 3月21日 開花 |
3月31日 | 4月4日 | 3月25日 | 3月28日 | |
三重 | 伊勢神宮 | 3月24日 開花 |
3月28日 | 4月6日 | 3月29日 | 4月1日 |
当社では、今シーズンの桜(ソメイヨシノ)の開花予測にあたり、下記の4つ視点で独自に分析し予測を行っています。今回の予測では、一般の方と共に全国各地の桜開花を追う「さくらプロジェクト」により、リポートされた過去5年間の桜に関する情報を、分析することで更なる予測に活用します。
(1) サポーターリポートの分析
当社では、桜が“つぼみ”の段階から“開花”を経て“葉桜”になるまでの過程を、全国各地の一般の方(サポーター)と共に観察する「さくらプロジェクト」の取り組みを過去5年間毎年実施しています。昨年は20,000人が本プロジェクトに参加し、当社には、過去5年にも及ぶ全国のきめ細かな地点における開花情報が蓄積されています。今年はこれら蓄積された膨大な量の過去のデータを、地点ごとに細分化し、分析することでピンポイントにおける予測に活用しています。また、今後発表する予測に関しても、刻々と全国からリポートされる開花やつぼみの実況を取り入れて予測を行います。
(2) 暖冬の統計データを中心に分析
桜の開花日を予測する際、過去の統計データは分析の基本データとなります。通常、30年~50年程度の長期間のデータを使用しますが、昨今の平均気温の上昇傾向により、長期の統計データでは、正確な予測が難しくなってきました。当社では各地点の予測にあたり、気温の上昇傾向にある20年の統計データを基本として、更に30年の統計データなど数パターンを分析し開花の予測をしています。
(3) 開花に影響する気温の推移と予測
桜の開花には、前年の気温傾向が大きく関わります。桜が順調に開花する条件は、前年の秋から冬にかけて十分に冷え込むこと、そして2月後半以降の暖かさが増してくることです。秋から冬にかけての冷え込みは「休眠打破」のために必要なものです。また開花を促す3月の気温が大きく影響し、3月の暖かな春の訪れが早いほど桜の生長を促されて桜の開花が早まる傾向があります。
(4) 全国600箇所の桜の名所への取材データ
ウェザーニューズでは、「さくらプロジェクト」のコンテンツとして、毎年、全国の桜の名所(約600ヶ所)の紹介を桜の開花の実況と併せて提供しています。この600ヶ所へは、毎日、電話などで現地へ独自に取材を行い最新の桜の開花状況を調査、携帯サイト、インターネットサイトに更新をしています。こうした全国の桜名所スポットの過去データを分析、この度の開花予測に反映しています。
桜の開花は、翌春に咲く花のもととなる芽を夏に作り、秋から冬にかけて「休眠」に入ります。花の芽は、冬の間、十分低い気温にさらされることにより、休眠から覚める「休眠打破」の状態を経て、気温の上昇とともに生長し開花に至ります。前年の12月から2月前半にかけ十分気温が下がらないと、「休眠」から覚めにくく、桜の開花は遅れがちとなります。また、2月後半以降の気温が開花までの成長に深く関り、その時の気温が高く推移すると開花は早まり、低く推移すると遅くなります。
世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。