発行日 : 2009年08月26日

全国25,976人が回答!静岡での地震調査結果発表

『緊急地震速報』の受信は携帯・PCが便利!

~ 地震への事前対策で最もお金をかけているのは愛媛県民!耐震対策実施率1位は兵庫県! ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、8月26 日(水)、同月11日(火)に起こった駿河湾を震源とする地震に関する調査をまとめ発表しました。この調査は、携帯サイト「ウェザーニュース」の利用者を対象に、8月15日(土)・16日(日)の2日間実施し、合計25,976人(男性42%、女性58%)の有効回答をまとめた結果になります。本調査結果は、携帯サイト「ウェザーニュース」にて公開すると共に、今後の地震発生の対策やサービス展開に活かしていく予定です。

携帯サイト「ウェザーニュース」 http://wni.jp

09年8月11日5時7分、静岡で最大震度6弱の地震が発生しました。震源の深さは約23kmと浅く、静岡県や伊豆諸島には津波注意報も発表されました。この地震で、静岡県内は、駿府城のお堀が崩れ、家屋の屋根瓦が落下し、庭の塀が崩れるなどの被害があり、屋内でも家具が倒れるなどの被害も発生しました。

緊急地震速報の受信は携帯・PCが便利!

今回の緊急地震速報の結果マップ

●今回の緊急地震速報の結果マップ
当社の緊急地震速報サービス「The Last 10-Second」
が起動してから揺れるまでの時間を表したものです。
今回の地震は、震源から半径25km以内のエリア では、
揺れてから 「The Last 10-Second」が起動しました。
一方、半径25km以上のエリアでは、 揺れ始める前に、
起動しました。
(半径65km以内=約10秒前、
半径125km以内=約30秒前)

8月11日(月)の駿河湾の地震は、5時7分に起こったということで、地震発生時に起きていた人は29%、就寝中の人は71%でした。起きていた人29%の内、震度4以上を観測したエリアの人に『今回、緊急地震速報を入手でき、対応が取れましたか』との質問をしたところ、緊急地震速報を入手し、何らかの対応できた人は40%でした。その40%の内、緊急地震速報を入手したメディアの割合を見ると、テレビが41.1%、携帯電話が27.2%、PCが22.0%という結果になりました。一方、寝ていた人71%の内、震度4以上を観測したエリアの人に同じ『今回、緊急地震速報を入手でき、対応が取れましたか』との質問をしたところ、緊急地震速報を入手し、起きて対応できた人は36%で、起きていた人と就寝中の人で緊急地震速報を入手し、対応できた人の割合に大きな差はありませんでした。また、就寝中で緊急地震速報を入手し、何らかの対応できた人が利用したメディアの割合を見ると、携帯電話が46.2%、PCが31.0%、テレビが13.1%となり、就寝していた人は携帯電話やPCで緊急地震速報を受け取り、起きて対応ができていたことがわかりました。いつどこで起こるかわからない地震に対しては、PULL的なメディアのテレビより、いつでもどこでも受信できるPUSH的な機能がある携帯電話とPCが速報サービスを受ける上で有効であり、今回も就寝していた人は、その情報をもとに起きて対応できた人が多いことがわかりました。また、緊急地震速報の認知度は、平均で69%ということも判明し、ほぼ全ての年代で同じ認知率という結果になりました。


緊急地震速報で事前対応とれた人は、
どのサービスを利用した?
(震度4以上の地域)
起きていた人 就寝中だった人
1位 テレビ(41.1%) 1位 携帯メール(46.2%)
2位 携帯メール(27.2%) 2位 PC(31.0%)
3位 PC(22.0%) 3位 テレビ(13.1%)
4位 緊急地震速報専用
受信装置(7.1%)
4位 緊急地震速報専用
受信装置(8.6%)
5位 ラジオ(1.8%) 5位 ラジオ(0.9%)
  緊急地震速報の認知率
10代 66.0%
20代 69.0%
30代 72.8%
40代 73.9%
50代 69.0%
60代 71.9%


地震への事前対策に一番お金をかけるのは愛媛県民!

地震発生に備えて、都道府県別にどれだけ事前対策を行っているのかを調査しました。事前対策には、“水や食料品の備え”を行っている人が最も多く、“家具や大型家電の固定”、“避難経路の確認”なども多くの人が行っていました。その中で、『事前対策にどれくらいの費用をかけましたか?』との質問をしたところ、最も費用をかけているのは愛媛県の2万3800円という結果になりました。2位は広島県の2万1100円、3位は山形県の2万900円で、全国平均は1万4200円でした。また、『家の耐震対策を行っていますか?していましたか?』との質問で、“耐震補強を行った”と回答した人の率を調べたところ、最も多かったのは、兵庫県の12.4%、続いて宮城県の10.6%、高知県の9.3%、新潟県の9.2%となり、過去に大きい地震を経験している地域で家の耐震対策の実施率が高いという結果になりました。今後想定される大きな地震として、宮城沖地震、三陸沖地震、東海地震、南海地震、関東地方でも東京湾北部地震などが挙げられ、地震への事前対策、家の耐震対策の意識をさらに高めていくことが大切です。


  水や食料品、家具固定など
地震への事前対策にかける費用
非常持出袋の
準備率
家の耐震対策の
実施率
過去10年間震度3以上の
発生回数
1位 愛媛県
(2万3800円)
三重県
(48.6%)
兵庫県
(12.4%)
東京都
(1225回※)
2位 広島県
(2万1100円)
高知県
(47.5%)
宮城県
(10.6%)
北海道
(413回)
3位 山形県
(2万900円)
静岡県
(46.1%)
高知県
(9.3%)
新潟県
(297回)
4位 静岡県
(1万9600円)
愛知県
(44.6%)
新潟県
(9.2%)
宮城県
(287回)
5位 岩手県
(1万9300円)
徳島県
(43.5%)
静岡県
(8.6%)
岩手県
(180回)
6位 宮城県
(1万9100円)
宮城県
(43.2%)
香川県
(8.5%)
茨城県
(180回)
7位 富山県
(1万8700円)
岐阜県
(42.8%)
青森県
(7.7%)
福島県
(158回)
8位 香川県
(1万8600円)
和歌山県
(42.6%)
三重県
(7.2%)
栃木県
(145回)
9位 福井県
(1万8500円)
神奈川県
(42.3%)
山形県
(6.9%)
千葉県
(140回)
10位 岐阜県
(1万7800円)
北海道
(41.7%)
愛知県
(6.8%)
鳥取県
(139回)
  全国平均
(1万4200円)
全国平均
(32.1%)
全国平均
(5.0%)
全国平均
(103回)

※東京都は島嶼での発生回数も含む

地震時に一番“行動力”があるのは60代女性!

1位 60代女性(19.7%)
2位 50代男性(14.3%)
3位 20代男性(13.5%)
4位 30代男性(12.2%)
4位 10代女性(12.2%)

今回の地震において、震度3以上を経験した人の中で、地震発生中~地震発生後に『近隣の人に対して何か行動を取りましたか』との質問に対して、近隣の人に声を掛けたり、一緒に避難するなど、何かしらの行動を起こしたと回答した人の率を年代と性別ごとに調べた結果、60代女性が最も行動力があることがわかりました。2位には50代の男性が続き、自分の身の安全の確保に加え、隣人の身の安全も確認するなどの配慮ができた年代は、年配層が目立つ結果となりました。

全体の6割が地震時の正しい行動がわからない

自分がとった行動は?

『揺れがおさまるまでに、自分がとった行動は良かったと思いますか』との質問をしたところ、57%の人が“わからない”、もしくは“良くなかった”と回答していることから、ほとんどの人が地震が起きた際の正しい行動がわからないことが判明しました。また、『揺れがおさまるまで、どうしていましたか』との質問に対して、3%の人が“火の始末をした”や“机の下に潜った”などの行動を取り、64%の人は、“とりあえず様子をみた”、“身がすくんで何もできなかった”と回答し、正しい行動を取れずにいることがわかりました。実際に地震が起こった際は、揺れがおさまるまでは動かず、周りに倒れてくるものがない場所に身を寄せ、頭を守ることが重要です。

震度4から被害発生率急増!

  地震による人的・
物的被害発生率
震度6 75%
震度5強 69%
震度5弱 54%
震度4 20%
震度3 8%
震度2 5%
震度1 1%

~これまでの震度と被害状況の関係に変化あり~
今回の調査で被害をまとめたところ、震度4以上で人的・物的被害が急増することが判明しました。また、これまで言われている震度と被害状況の関係が必ずしも一致しないことがわかりました。これまで棚にある本の落下については震度5弱が目安と言われていましたが、震度4から本や、小物の落下率が上がり始め、これまで震度5強で起こりやすいとされていた食器や瓶、ガラスなどが割れ、テレビが倒れるなどの被害が震度5弱で出ており、怪我をする人まで出ました。また、震度5強になると、家屋の一部が損壊し、6弱になると、地面などの道路に亀裂が入り、生活に影響が出始めたことも今回の調査で判明しました。今回調査に参加した方の情報により、これまでの震度と被害状況の関係に違いが見られたことがわかり、今後もこの指標について調べていきます。

やっぱり静岡県民は防災意識が高い?

隣人にとった行動率
静岡県 23.2%
山梨県 12.7%
神奈川県 8.5%
愛知県 5.8%

震度4以上を被災したエリアで近隣の人にとった行動率をみると、静岡県民は23.2%の人が声を掛けて安否を確認をし、一緒に避難するなど、積極的に行動していることがわかりました。同じ震度が確認された他のエリアと比べても静岡県民の行動力は圧倒的で、普段から防災意識が高く、多くの人が地震が起こった際に助け合う自助・共助の心がけができていると言えます。

津波の重要性、認識足らず

津波注意報発表後の対策は?

『津波注意報が発表された際に情報を入手できましたか』との質問を震度4以上のエリアの人にしたところ、90%の人がテレビか携帯電話で情報を入手できていることが判明しました。しかし、その情報を受けても実際に行動に移せた人は2%に過ぎず、津波の危険性の認知が低いことがわかりました。津波注意報が発表された際の正しい行動は、津波の影響を受けやすい奥まった湾や海に近い川沿いなどでは、必ず高台に逃げる必要があり、絶対海には近付かないようにしましょう。

地震は“予報”できる?

  地震を予感した人が多い県
1位 静岡県(23.7%)
2位 岐阜県(20.1%)
3位 宮城県(19.6%)
4位 山梨県(18.5%)
5位 三重県(16.5%)

『今回の地震が起こる際に、地震発生を予感させる現象はありましたか』との質問に、12%の人が事前に何らかの現象を感じていることが判明しました。県別で見てみると、今回の地震で最も震源地に近かった静岡県が1位で、約4人に1人が宏観異常現象(大きな地震の前に、人間の感覚で感知される現象)を感知していました。現象を見てみると、「前日の夕日がいつもより赤かった」、「ペットがいつもより鳴いていた」などという回答が多く、動物の異常行動や気象現象、電磁波の異常などの研究も進んでいますが、今回の調査でも地震の“予報”の可能性を感じられる結果となりました。

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。