発行日 : 2009年09月09日

『全国クマゼミ調査』結果発表

『クマゼミ』の生息域の北限は東北地方南部、福島県福島市と判明

~ 『クマゼミ』の鳴き声が“うるさい”と感じる人が多いのは兵庫県民! ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、9月9 日(水)、全国のウェザーリポーター(※1)からの協力のもと、クマゼミの生息分布を調査する『全国クマゼミ調査』を8月5日より実施し、本日その調査内容をまとめ発表しました。今年で2年目となる『全国クマゼミ調査』の結果は、クマゼミの北限が福島県福島市であることが判明しました。昨年、クマゼミの声が報告された福島県郡山市から、さらに北上した福島市でもクマゼミが確認されたことで、昨年に引き続き、地球温暖化などの影響により、クマゼミの生息域に変化が生じていることが再確認できました。また、クマゼミの鳴き声を調査した結果、鳴き声がうるさいと感じる人が最も多かったのは兵庫県民で、続く上位にも西日本の各地がランクインしたことから、クマゼミの生息域の北上が進むものの、生息域の中心は西日本であることがわかりました。

クマゼミの分布エリア

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■クマゼミの北限は福島県福島市!

全国のウェザーリポーターから寄せられた1,423件のウェザーリポートと、「10分天気予報」で行ったクマゼミの鳴き声を調査(※2)し、クマゼミの生息域を調べました。その結果、クマゼミの北限が東北地方南部の福島県福島市であることが判明し、昨年クマゼミの声の報告があった福島県郡山市からさらに北上したことが確認されました。また、昨年は少数しかクマゼミの報告が届かなかった北陸地方の石川県金沢市からもクマゼミの報告が多数寄せられ、クマゼミが根付いていることがわかりました。昨年の調査で、従来、生息域の北限が“関東南部”と言われていたクマゼミが、“関東北部~北陸”に変化し、生息域の範囲が拡大していたことがわかりましたが、2年目となる今年の『全国クマゼミ調査』でも、昨年に引き続き、クマゼミの生息域の北上が確認でき、温暖化やヒートアイランド現象など、環境の変化によりクマゼミの生息域に変化が生じていることが再確認できました。1950年から20年ごとにクマゼミの北限エリアの8月の平均気温をみると、徐々に平均気温が上昇していることがわかり、クマゼミが生息しやすい環境に変化していることが確認できます。全国のエリアごとに見てみると、九州沖縄では、多くの地域からクマゼミの報告が寄せられましたが、山地での生息が少ない傾向にあることがわかりました。中国四国では、全ての県からクマゼミの報告が寄せられましたが、昨年から数が少ないとされていた山陰の島根県西部や鳥取県境港市では、“見かけない”との報告が届きました。近畿では、今年も昨年同様、多くの地域でクマゼミの報告がたくさん寄せられ、クマゼミが多く生息していることが確認できました。東海では、愛知県のほとんどの市から報告が寄せられ、昨年に続き、“昔より増えた”との報告が多く、生息域の拡大を感じる結果となりました。一方、三重県の山間部にあたる伊賀市からは“いない”との報告が届き、九州の山地と同様、山の近くではクマゼミの報告が少ないことがわかりました。北陸地方の石川県からは、今年はクマゼミの報告が継続して届き、昨年に比べて分布図により濃い色で生息域として表されました。一方、長野県からは“いない”との報告が多数届き、昨年の分布図に比べて、生息域が小さくなりました。関東は、今年も南部・北部ともにクマゼミのリポートが届き、初めて鳴き声を耳にしたなど、クマゼミの勢力が広がりを感じられる報告が寄せられました。


過去20年ごとの8月の平均気温


過去20年ごとの8月の平均気温

クマゼミの鳴き声が“うるさい”と感じる人が最も多いのは兵庫県民

クマゼミの鳴き声が“騒音並み”と
回答した人が多い都道府県別のランキング
1位 兵庫県 6位 佐賀県
2位 静岡県 7位 香川県
3位 大阪府 8位 和歌山県
4位 京都府 9位 沖縄県
5位 山口県 10位 岡山県

今年で2回目となる「全国クマゼミ調査」では、今回から新しく、鳴き声にも注目し調査を行いました。調査は、当社の携帯サイト内の「10分天気予報」の中で、「クマゼミの声が聞こえますか?」との質問をし、一番クマゼミが鳴いているとされている6時から11時に“騒音並み”と回答した人の割合を都道府県別にまとめました。その結果、クマゼミの鳴き声が“うるさい”と感じる人が一番多いのは、兵庫県民という結果になりました。2位は静岡県、3位は大阪府、続いて京都府、山口県となりました。この結果、クマゼミの生息域の北上が進んではいるものの、鳴き声は西日本を中心に多く聞かれることから、クマゼミの生息域の中心が西日本であることがわかりました。

クマゼミの鳴き声のピークは8時30分

鳴き声の音量

クマゼミの鳴き声に注目した今年の「全国クマゼミ調査」では、クマゼミが鳴く時間帯を調査しました。クマゼミの鳴き声のデータが多く取れた、東京都、愛知県、大阪府、福岡県で時系列に並べてみると、鳴き声のピークが8時半であることがわかりました。6時頃からクマゼミの鳴き声の音量が上がり始め、8時半のピーク以降は、暑くなる日中にかけてクマゼミの音量は徐々に下がり、11時を越えると急激に小さくなることがわかりました。


ウェザーニューズでは、今後も利用者と共に継続的に『クマゼミ調査』を実施し、その生体から分かる変化を追うことで、環境変化の実態を追っていき、季節を楽しむ様々なコンテンツを利用者と共に展開していきます。


(※1)ウェザーリポーターは2006年から携帯サイト「ウェザーニュース」(URL:http://wni.jp)において始まった天気のコミュニティーで、日々身の周りで起こる天気や四季の移り変わりを携帯電話でリポートし、全国のウェザーリポーターとその情報を共有し、空や季節を楽しむコミュティーです。現在登録者は4 万人を超え、一日5千通以上のリポートが届いています。ウェザーリポーターは携帯サイト「ウェザーニュース」の月額105円、315円会員の方ならば誰でも参加することができます。


(※2)「10分天気予報」の項目の中で、「クマゼミの声が聞こえますか?」との質問に対して、“騒音並み”“聞こえる”“時々聞こえる”“聞こえない”から選択してもらい、この回答をもとにクマゼミの生息域を調査しました。

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。