発行日 : 2009年10月22日

今夏における“ゲリラ雷雨”のまとめ発表

人間の“感覚”と最新“技術”の融合で、“ゲリラ雷雨”事前捕捉率が大幅アップ

~ 東京都における“ゲリラ雷雨”事前捕捉率は90.6%、事前メール送信時間は42分前 ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、10月22日(木)に、突発的かつ局地的に雷雨をもたらす“ゲリラ雷雨”による被害を軽減するために発足した「ゲリラ雷雨防衛隊」の取り組み結果を発表いたしました。当社では“ゲリラ雷雨”を事前予測する試みとして、全国で 2万5千名を超える「ゲリラ雷雨防衛隊」と、ゲリラ雷雨を捕捉するために開発された高頻度の最新小型観測レーダー「WITHレーダー」を導入し、“ゲリラ雷雨”の監視体制強化に努めました。その結果、「ゲリラ雷雨防衛隊」の活動を開始した7月21日から終了するまでの9月30日の期間において、東京都では“ゲリラ雷雨”事前捕捉率が90.6%に達し、全国では、平均79.5%の確率で事前に捕捉することに成功しました。また、12万人以上の方が携帯電話に登録をしている「ゲリラ雷雨メール」においては、東京都では平均42.4分前、全国では平均60.7分前に事前送信しました。さらに、今年から新たに開始したインターネットサイトにて、リアルタイムに“ゲリラ雷雨”発生の状況が把握できる「ゲリラ雷雨情報(無料)」では、自治体や建設事業者を中心とした245企業に活用いただき、“ゲリラ雷雨”対策における業務支援をおこないました。当社では、引き続き“ゲリラ雷雨”に関する分析を実施し、来年度以降の被害軽減に役立てていきます。

昨年に比べ大幅に減少した“ゲリラ雷雨”

“ゲリラ雷雨”は、急激に発達する積乱雲によって発生します。積乱雲は地上と上空の温度差が大きく、かつ、水蒸気が多い場合に発生します。このため、地上ではいつもより蒸し暑く、同時に上空5000m以上ではいつもより気温が低い(寒気が入る)状態になると、発生数が多くなります。今年は“ゲリラ雷雨”発生数が記録的に多かった昨年と比べ、大幅に少ない発生数となりました。これは、夏の太平洋高気圧の勢力が弱く、晴れた日が少なかったため、地上の気温は低めに推移したためです。また、上空の寒気の入り方も昨年ほどではありませんでした。このため、低気圧や前線などの影響で大雨となった日はありましたが、“ゲリラ雷雨”の発生数は2008年に比べ大幅に少なくなり、また、雷の発生数をみても、昨年より半分以下での発生でした。今年の発生数の傾向をみると、東日本と西日本の日本海側では少なめ、西日本の瀬戸内側や太平洋側では比較的多くなりました。


*雷発生数の比較

期間 東京 大阪 名古屋 福岡
2009年7月21日
~9月30日
5日 5日 4日 7日
2008年7月21日
~9月30日
14日 15日 12日 17日

2万人の“目”で今の空を監視し、“ゲリラ雷雨”を予測する「ゲリラ雷雨防衛隊」

ウェザーニューズでは、従来の気象観測技術では予測が難しいと言われている“ゲリラ雷雨”への取り組みとして、“ゲリラ雷雨”が発生する可能性がある際、その危険性を携帯電話に可能な限り事前に知らせる 「ゲリラ雷雨メール」、及びインターネットサイトにて、リアルタイムに“ゲリラ雷雨”発生の可能性を事前に表示する特設サイト「ゲリラ雷雨情報」を7月21日から展開してきました。「ゲリラ雷雨メール」、「ゲリラ雷雨情報」は、「ゲリラ雷雨防衛隊」と呼ばれる携帯サイトの一般会員から寄せられる膨大な雷雨状況に関するリポートをもとに分析をおこない“ゲリラ雷雨”の予測をおこないます。今年は「ゲリラ雷雨防衛隊」の参加人数が25,884人と昨年の倍以上の方が参加しました。「ゲリラ雷雨防衛隊」は、実際に見た雷雨の状態をリポートすることはもとより、「湿った風がふき始めてきました」や「急激に雲が発達しています」など、従来の観測では捉えることの出来ない、人の五感を使った“感覚”による情報もリポートします。今年はより正確に、より事前に雷雲を把握するため、隊員へ方位磁石を配布し、より正確な雲の位置を伝えてもらうと共に、隊員の報告項目を昨年よりバージョンアップし、昼モード、夜モードなどのそれぞれの時間に合った報告で、“ゲリラ雷雨”の補足に挑みました。このように、従来の気象予測技術だけでは捉えられない、全国各地から寄せられた膨大な“感覚情報”及び、“現地の実況情報”を解析することで、予測不可能と言われる“ゲリラ雷雨”を事前に捕捉することが可能となりました。


“ゲリラ雷雨”を予測する「ゲリラ雷雨防衛隊」

「ゲリラ雷雨防衛隊」の実績(7月21日~9月30日)

エリア ゲリラ雷雨発生回数 事前捕捉率 事前メール送信時間
東京都 96回 90.60% 42.4分
大阪府 136回 90.40% 45.7分
愛知県 115回 94.80% 73.7分
福岡県 106回 91.50% 54.3分
全国 11,591回 79.50% 60.7分

今年の“ゲリラ雷雨”の発生回数は全国で11,591回と、昨年より少ない数で発生しました。また都市部での発生数は、東京都で96回、大阪府で136回、愛知県115回、福岡県で106回発生しました。4都市の中で、「ゲリラ雷雨防衛隊」の人数が特に多く、「WITHレーダー」の設置が進んでいる東京都では、96回の発生のうち、90.6%にあたる87回を事前に捕捉することに成功しており、“ゲリラ雷雨”が雨を降らせ始めるどの位前に 「ゲリラ雷雨メール」を発信していたかに関しては、42.4分前に知らせています。また、「ゲリラ雷雨防衛隊」の人数が少ない他県を含める全国では、平均で79.5%という結果になりました。「ゲリラ雷雨防衛隊」の人数は昨年に比べ倍増し、予測精度は飛躍的に上がりましたが、「ゲリラ雷雨防衛隊」の参加人数が少ないエリアでは、目標としている90%には及ばない結果となりました。ただ、昨年の調査結果では、エリア(10kmメッシュ)内に「ゲリラ雷雨防衛隊」の参加人数が150人以上いる場合、“ゲリラ雷雨”の事前捕捉率は平均で90.9%、「ゲリラ雷雨メール」の事前平均時間は62分前という結果もでています。来年も引き続き、「ゲリラ雷雨防衛隊」への参加を広く呼びかけ、“ゲリラ雷雨”による被害軽減に努めていく予定です。


*ゲリラ雷雨の事前捕捉率の求め方
“ゲリラ雷雨”をもたらす雷雲は、予め予測可能な前線による雨とは別で、“急速”かつ“局地的 ”に発達し、事前に予測できないのが特徴です。また限られた数しか設置されていないアメダスでは、全ての雨を正確に観測できないのが現状です。ウェザーニューズでは、『10分天気予報』において“ザーザー”以上の強い雷雨(5段階中の2番目に強い雨以上)が報告された中で、当時、前線の影響による雷雨(事前予測ができていた雨雲)を除き、当日の朝の時点で予測できていなかった雷雨を“ゲリラ雷雨”としてカウントしています。上記は、全国で、7月21日~9月30日の期間において、各地で“ゲリラ雷雨”が何回発生したかを算出しました。また、それら発生した“ゲリラ雷雨”を、どのくらいの確率で事前捕捉していたかを計算するとともに、その捕捉した“ゲリラ雷雨”を何分前にメールで登録会員に知らせていたかを算出しました(200分以上前のメール送信は無効としてカウント)。

高頻度の最新小型観測レーダー「WITHレーダー」の活躍

WITHレーダー

当社では、“ゲリラ雷雨”による被害を軽減するため「ゲリラ雷雨防衛隊」の取り組みと共に、高頻度の小型観測気象レーダーの開発・設置を進めてきました。この小型気象レーダーは「WITHレーダー」と呼ばれ、局地的かつ急速に発生する“ゲリラ雷雨”を捉えるために開発された次世代型の気象レーダーで、従来のレーダーでは捉えられない、対流圏下層(上空2km以下)の現象を、6秒毎に半径50kmの範囲を“超高頻度観測”し、“ゲリラ雷雨”の“雨の強さ”、“移動速度”、“移動方向”をいち早く捉えるのが特徴です。今年は、関東に4台、近畿に2台、東海に1台設置したのに加え、移動型観測車2台を配備し“ゲリラ雷雨”の監視体制を強化してきました。その結果、「ゲリラ雷雨防衛隊」から寄せられる“ゲリラ雷雨”の初期段階の雲写真や映像をもとにレーダー監視エリアを決定し、そのエリアを重点的かつ早期に監視することで、早い段階から“ゲリラ雷雨”の詳細な情報を事前に捉えることが可能となり、「WITHレーダー」は、“ゲリラ雷雨”を事前捕捉するだけでなく、どのくらいの雨量が見込まれるかなどを把握するために有用であることが証明されました。当社では来年度以降の被害軽減のため、引き続き「WITHレーダー」の設置を全国に拡げていく予定です。


「ゲリラ雷雨防衛隊」から寄せられた被害リポートをデータベース化

当社では、個人の減災意識を高め、地域の人と被害軽減に取り組む“減災”の活動強化に努めています。この“減災”の試みは、過去の大規模な災害情報や、これまで記録として残っていなかった身近な個人生活レベルでの被害をデータベース化し、インターネットサイト(URL:http://weathernews.jp/gensai/)にて公開することで、“いつ”、“どこで”“どのような”被害があったかを近隣の方と共有できる新しい試みです。今夏「ゲリラ雷雨防衛隊」から寄せられた各地の冠水、浸水、停電などの被害リポートを、過去の気象状況と照らし合わせデータベース化することで、今後の雷雨に対しての被害を事前に予測することができます。当社では、引き続き地域の人から随時サイト内で災害情報を募集し、更なる減災データベースのバージョンアップを図っていき、“ゲリラ雷雨”による被害軽減に努めていきます。

「ゲリラ雷雨防衛隊」から「ウェザーリポーター」へ

夏のゲリラ雷雨、秋の台風、冬の大雪など、気象には四季があり、それぞれの季節において災害レベルになる程のシビアな気象があります。当社では、今夏に成功した“ゲリラ雷雨”予測のノウハウを秋や冬のシビアな気象にも活かすため、2万5千名にも及ぶ「ゲリラ雷雨防衛隊」の方に、一年の四季を感じ、日々の気象を“感測”する「ウェザーリポーター」に登録してもらうことで、一年を通じて、さらなる気象情報の価値創造を「ウェザーリポーター」と共に目指していく取り組みを実施します。(今夏の「ゲリラ雷雨防衛隊」は9月30日をもって解散しました。)


*ウェザーリポーターについて
ウェザーリポーターは2006年から携帯サイト「ウェザーニュース」(URL:http://wni.jp)において始まった天気のコミュニティーで、日々身の周りで起こる天気や四季の移り変わりを携帯電話でリポートし、全国のウェザーリポーターとその情報を共有し、空や季節を楽しむコミュティーです。現在登録者は4万人を超え、一日5千通以上のリポートが届いています。ウェザーリポーターは携帯サイト「ウェザーニュース」の月額105円、315円会員の方ならば誰でも参加することができます。

「ゲリラ雷雨メール」サービス利用調査結果

ウェザーニューズでは、“ゲリラ雷雨”対策サービス「ゲリラ雷雨メール」及び、「ゲリラ雷雨防衛隊」の活動に関し、その利用状況を調査するため、9月30日~10月3日の間アンケートを実施し、その結果(計4,669件回答)をまとめました。


「ゲリラ雷雨メール」サービスを利用した感想に関する質問では、「ゲリラ雷雨メールは役立ちましたか?」との問いに対し、55%の人が“かなり役立った”、37%の人が “まぁまぁ役立った”との回答があり、全体の92%の方から「ゲリラ雷雨メール」のサービスが役に立ったとの評価を頂きました。また、「ゲリラ雷雨メールを来年も利用したいですか?」との問いには、全体の95%の人が“利用したい”との回答し、サービスの満足度が高いことが分かりました。一方、「ゲリラ雷雨防衛隊員」限定の質問では、「ゲリラ雷雨防衛隊員に参加した理由は?(複数回答可)」との問いには、“誰かの役に立ちたいから”が高い回答率をマークし、「ゲリラ雷雨防衛隊として活動した感想は?」との問いには、“楽しかった”“連帯感あった”との回答が多数を占めました。


性別
年齢
ゲリラ雷雨メールは役立ちましたか?
ゲリラ雷雨メールを来年も利用したいですか?
来年も防衛隊として活動したいですか?
期間を通じて、ゲリラ雷雨メールが届くタイミングが多かったのは?
防衛隊員として活動して、雷雨の前兆が解るようになりましたか?
防衛隊員として活動した感想は?
東北地方の円グラフ

<参考情報>

エリア 都道府県 ゲリラ雷雨発生回数 事前捕捉率 事前メール送信時間
北海道 道北 92回 75.00% 59.3分
道南 108回 78.70% 71.3分
道央 122回 62.30% 61.5分
道東 160回 74.40% 66.3分
東 北 青森 183回 73.20% 59.8分
岩手 303回 80.50% 57.7分
宮城 225回 85.30% 56.2分
秋田 183回 84.20% 60.3分
山形 265回 84.50% 64.7分
福島 321回 78.20% 61.8分
関 東 茨城 316回 70.30% 43.4分
栃木 333回 81.70% 55.9分
群馬 403回 78.90% 53.0分
埼玉 131回 78.60% 39.3分
千葉 154回 76.00% 43.4分
東京 96回 90.60% 42.4分
神奈川 88回 75.00% 27.2分
中 部 山梨 177回 71.20% 68.2分
新潟 403回 74.70% 57.6分
富山 151回 77.50% 67.2分
石川 174回 78.20% 67.9分
福井 190回 82.60% 67.8分
長野 602回 73.10% 60.5分
岐阜 485回 79.60% 70.7分
静岡 435回 68.30% 56.0分
愛知 115回 94.80% 73.7分
三重 242回 78.90% 59.2分
近畿 滋賀 295回 81.40% 58.0分
京都 178回 83.70% 57.3分
大阪 136回 90.40% 45.7分
兵庫 428回 83.90% 61.7分
奈良 260回 81.50% 64.8分
和歌山 150回 75.30% 57.5分
中国・四国 鳥取 90回 73.30% 49.5分
島根 162回 83.30% 59.4分
岡山 284回 77.80% 54.5分
広島 366回 81.20% 60.7分
山口 289回 84.80% 67.7分
徳島 140回 82.10% 57.8分
香川 120回 69.20% 54.1分
愛媛 230回 77.80% 53.6分
高知 255回 87.50% 63.9分
九州・沖縄 福岡 106回 91.50% 54.3分
佐賀 179回 83.20% 69.7分
長崎 225回 85.30% 74.4分
熊本 272回 85.30% 93.9分
大分 243回 82.70% 63.6分
宮崎 277回 81.20% 68.2分
鹿児島 299回 79.60% 63.8分
沖縄 150回 83.30% 51.4分

「ゲリラ雷雨防衛隊」と「WITHレーダー」の活躍事例

~事例1:群馬館林市で竜巻発生(7月27日)~

前線が東日本から北日本にかけて停滞し、各地でゲリラ雷雨が発生しました。特に関東北部では雷雲がいつ発生してもおかしくない気温となっており、さらに西風と南風がぶつかって小さな前線ができていました。その上、館林市を中心に東側と西側で約10℃の気温差があり、雨雲が発達しました。


13時57分: 群馬県館林市で低い雲が渦を巻いているとのリポートを受信
続々と雷や強雨の被害等の報告が届く
14時36分: 群馬県館林市 最初の竜巻リポートを受信
14時42分頃~: 栃木県西方町から漏斗雲目撃のリポートを受信
那珂川町、宇都宮市からも竜巻らしき雲発見とのリポートを受信
        

~事例2:埼玉県で発生した“ゲリラ雷雨”(7月30日)~

梅雨前線が近畿から東北北部にかかり、関東は午後から大気の状態が不安定になりました。北部では次々に対流雲が発生、埼玉県内でも“ゲリラ雷雨”が発生し、冠水するほどの激しい雨になりました。


8時頃~ 埼玉の隊員から怪しい雲のリポートを受信
12時頃~ 発達した雲や黒い雲のリポートを続々と受信(1000通超え)
13時半頃 埼玉県内に「ゲリラ雷雨メール」を配信
16時20分 “ゲリラ雷雨”の結果、ふじみ野市から冠水リポートを受信
           

~事例3:「竜巻アラーム」を配信(8月7日)

この日、台湾には台風8号があり、日本では前線が本州付近に停滞していました。台風8号の影響もあり、南からは暖湿流が流れ込み、大気の状態が不安定な状態が続き、竜巻が発生してもおかしくない状況で、「ゲリラ雷雨防衛隊」と監視体制を強化していました。


18時43分 埼玉県のゲリラ雷雨防衛隊から竜巻の一種「ろうと雲」のリポートを受信
直後に、埼玉、東京、千葉、神奈川、茨城の「竜巻アラーム」登録者に送信
 

~事例4:千葉県、埼玉県で発生した“ゲリラ雷雨”(8月9日)~

この日、南海上には熱帯低気圧(同日21時に台風9号となる)があり、関東でも下層暖湿流の影響を受けました。さらに、本州上空には寒気が流入し、関東南部では地上南東風による局地的な収束がありました。昼過ぎには関東南部でも“ゲリラ雷雨”が発生し、千葉では15時~16時で42.0mm、越谷では16時~19時で56.5mmの雨が降りました。そして、千葉県と埼玉県であわせて、冠水12件、停電4件、通行止め2件の被害が発生しました。


<千葉県>

午前中: 千葉県の「ゲリラ雷雨防衛隊」から「入道雲発達中」のリポートを受信
昼前後: 昼前後:千葉県の「ゲリラ雷雨防衛隊」から「グレー雲、黒い雲」のリポートを受信(計220通)
13時30分頃: 千葉市周辺の「ゲリラ雷雨メール」登録者にメールを送信
13時40分頃: 千葉市付近で“ゲリラ雷雨”発生
15時29分頃: 千葉市周辺で冠水などの被害リポートを受信

<埼玉県>

午前中~: 埼玉県の「ゲリラ雷雨防衛隊」から「怪しい雲」のリポートを受信
昼前後: 埼玉県の「ゲリラ雷雨防衛隊」から「蒸し暑い」のリポートを受信(計40通)
15時22分頃: 川口市周辺の「ゲリラ雷雨メール」登録者にメールを送信
15時31分頃: 川口市付近で“ゲリラ雷雨”発生
16時06分頃: 川口市周辺から道路冠水などの被害リポート受信

~事例5:沖縄那覇市で発生した“ゲリラ雷雨”(8月19日)~

8月19日、日本の南海上には低気圧があり、ゆっくりと西進していました。沖縄周辺では、暖湿気が流れ込み、上空には寒気も流れ、大気の状態が不安定な日でした。この日、13時30分頃、沖縄県で“ゲリラ雷雨”が発生し、安次嶺では13時~14時で58.5mmの雨が降りました。そして、各地で甚大な冠水被害が発生すると共に、川で作業していた方が流されるという被害が発生しました。沖縄県の「ゲリラ雷雨防衛隊」からは続々とリポートが届き、予報センターでは、その危険性を事前に解析し、11時57分、13時05分には那覇市周辺の「ゲリラ雷雨メール」登録者にメールを送信しました。


10時08分頃~: 沖縄県の「ゲリラ雷雨防衛隊」からのリポートを受信
11時57分頃: 那覇市周辺の「ゲリラ雷雨メール」登録者に一回目のメールを送信
13時05分頃: 那覇市周辺の「ゲリラ雷雨メール」登録者に二回目のメールを送信
13時30分頃: 那覇市付近で“ゲリラ雷雨”発生
18時57分頃: ガーブ川泥水のリポートを受信

~事例6:東京で発生した“ゲリラ雷雨”(8月24日)~

この日、オホーツク海には上層寒冷渦に対応した低気圧が居座り、大陸からは高気圧が東へと張り出しました。そして、昼過ぎにかけて寒気トラフが日本付近を通過しました。また関東付近には下層に湿った空気があり、地上風による収束もあって、東京で“ゲリラ雷雨”が発生しました。


12時30分頃: 東京で続々と「怪しい雲」のリポートを受信(計2300通)
3時00分以降: 1東京の「ゲリラ雷雨メール」登録者に随時メールを送信
14時13分頃: 調布の「WITHレーダー」が町田周辺の雷雨の前兆を検知
14時50分頃: 気象庁レーダーにて町田周辺の雷雨を検知
15時20分頃: “ゲリラ雷雨”発生のリポート受信

~事例7:大阪で発生した“ゲリラ雷雨”(9月23日)

この日、日本海に前線が発生し、雨雲が本州の広い範囲にかかり、大阪付近では東風と西風がぶつかり、突発型の“ゲリラ雷雨”が発生しました。


13時31分頃: 大阪府堺市から「雲が互いに引き合って接近中」とのリポートを受信
15時29分頃: その後、堺市周辺の「ゲリラ雷雨メール」登録者に随時メールを送信りんくうタウンにある「WITHレーダー」で雨雲が捉えられ、雨雲が北へ拡大していることを検知その後、「WITHレーダー」で拡大を検知できた地域に「ゲリラ雷雨メール」を配信

*「ゲリラ雷雨防衛隊」と「WITHレーダー」の全活躍事例は下記のサイトから確認いただけます。
URL: http://weathernews.jp/event/amepro/2009/index.html

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。