発行日 : 2011年10月05日
環境に優しい快適なライフスタイルの実現を目指し、全国規模で室内観測を実施「ポールンインサイド」解析結果発表
株式会社ウェザーニューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、環境に優しく快適でスマートなライフスタイルの実現をサポートするため、全国各地の家の中を室内観測する取り組みである「ポールンインサイド」を今夏に実施し、本日その解析結果を発表しました。「ポールンインサイド」は、室内環境の現状を把握することで、一人ひとりの生活に密着した最適な形でのライフスタイルへアプローチすることを目指しています。室内の観測・解析には、リアルタイムで気温・湿度・気圧が測れる花粉観測機「ポールンロボ」400台を一般の家庭のリビングに設置いただく形で活用し、屋外は全国3,000ヶ所に設置している気象観測機「ソラテナ」を用いて解析を実施しました。今回の解析結果は、暑さのピークと言われる8月のデータを抽出し、“家の構造”、“日当たり”、“風通し”など、建物の造りによる環境の違いについても検証しました。本解析結果より、室内の気温推移や過剰な電力使用量、室内における熱中症の危険性などが明らかになり、室内観測を行うことが、人々の生活を変えていく第一歩として欠かせないことがわかりました。
全国で室内と屋外の気温を比較してみました。その結果、屋外気温のピークの全国平均は13時56分だったのに対し、室内の気温のピークは14時48分でした。その差は52分で、室内は屋外よりも気温のピークが約1時間遅く、家の中と外では、暑さに注意する時間が異なることがわかりました。
・鉄筋・鉄骨建物の室内、外気の影響を受けにくい結果に
次に、建物の構造別に室内と屋外の気温を比較してみました。その結果、木造の建物の場合、室内の気温のピークが14時47分で、室内と屋外の気温のピークの差は51分、鉄筋・鉄骨の建物の場合は、室内の気温のピークが14時53分で、室内と屋外の気温のピークの差は57分となり、構造による室内気温の変化に違いが見られました。暑さのピークを見ると、木造の建物の方が鉄筋・鉄骨の建物より、屋外との差が6分早いことがわかりました。ピークの気温に関しては、外気のピークの気温は29.5℃に対し、木造の建物の気温のピークは28.8℃、鉄筋・鉄骨の建物のピークは28.4℃と、鉄筋・鉄骨よりも木造の建物の方が外気との差が小さい結果となりました。グラフを見ると、木造の室内の気温は、屋外の気温変化と沿うように変化しており、木造の建物ほど外気の影響を受けやすいと考えられます。一方、鉄筋・鉄骨の建物では、朝晩も室内の気温変化が小さく、気温が下がりにくいことがわかります。外気が下がる時間は窓を開けて風通しを良くする工夫をすると快適に過ごすことができそうです。


・日当たりの良い室内、外気の影響を受けやすく遮光の工夫が必要に
続いて、日当たり別で室内と屋外の気温を比較してみました。その結果、日当たりが悪い室内は、気温のピークが15時45分になり、外気との気温のピークの差が109分と、大きくズレが生じる傾向にあることがわかりました。日当たりの悪い室内は、暑さのピーク時間に注意を払う必要があります。また、日当たりの悪い室内は1日を通して室内の気温変化が小さいことがわかります。外気の影響を受けにくいため、エアコンを使用した場合、その効果が長持ちすると考えられます。一方、日当たりが良い部屋は、外気の影響を受けやすく、外気との気温のピークの時間差が44分と短くなっています。日当たりの良い室内は、遮光カーテンやグリーンカーテンで直射日光を遮ることで、室内の気温の変化を抑えられ、快適な環境を作ることができそうです。


・風通しの良い室内、朝は窓を開けることで快適に
最後に、風通し別で室内と屋外の気温を比較してみました。その結果、風通しの良い部屋の方が、風通しの悪い部屋に比べ、屋外との気温変化の差が小さいことがわかりました。特に朝の時間帯に注目してみると、風通しの良い室内ほど涼しい朝を迎えられていることがわかります。風通しの良い部屋は、窓を開ける時間帯を工夫することで、エアコンを使用せずに快適に過ごすことができると考えられます。


8月の室内と屋外で熱中症の危険性が高まる30℃以上の時間について解析(北海道を除く)し、全国およびエリア別にその結果をまとめました。その結果、一日の中で熱中症の危険性が高まった時間は、屋外が全国平均で4時間2分、室内が2時間21分になり、室内でも熱中症の危険性が高まる時間が長いことがわかりました。また、その時間帯は全国平均で13~17時で、この時間帯は意識して熱中症に注意を払う必要があります。エリア別では、特に関東で興味深い結果になりました。関東の屋外の熱中症の危険性が高まった時間は平均3時間52分に対し、室内が平均3時間29分と、他のエリアに比べて室内と屋外の時間の差が極端に小さいことがわかりました。今年は例年以上に節電の意識が高まっており、エアコンの使用を控えた様子が伺える結果となりました。その他のエリアでは、東北は屋外よりも室内の方が熱中症の危険性が高まる結果となり、四国は、危険性が高まる時間が他のエリアに比べて長い傾向になりました。また、北陸と九州で比較すると、屋外の熱中症の危険が高まる時間が九州よりも北陸の方が長く、九州は屋内での危険性が他のエリアに比べて短いことがわかりました。さらに、室内の気温の変化を天気別に見てみると、熱中症の危険性が高まる時間は、晴れの日が4時間16分、曇りの日が1時間27分と、晴れの日はその危険性が約3倍になることがわかりました。曇り一時雨の日は、一日中曇りの日に比べて熱中症の危険性の高まる時間が約30分も減り、室内の気温が上がりにくいことがわかりました。暑さのピークとなった8月16日~18日は、30℃を超えた時間が屋外よりも室内の方が長くなるという結果も出ており、30℃を超えるような暑い日は、室内でもいつも以上に熱中症対策を心がけた方が良さそうです。
熱中症の危険性が高まる時間帯を建物の環境別に解析をしました。その結果、建物の構造、日当たり、風通し別でも解析しても、熱中症の危険性が高まる時間は、部屋の気温が30℃を超える午後になることがわかりました。特に、暑さのピークを迎える前後2時間は注意を払う必要があります。ほとんどの建物において、熱中症の危険性がある時間帯は13~16時という結果になり、その傾向に大きな違いはありませんでした。ただ、日当たりの悪い部屋では、その時間帯が14~17時と1時間遅くなる傾向にあり、お住まいの住環境に合わせた対策を心がけると快適に過ごせそうです。


これまでの結果のグラフより、家の中より外の方が涼しい時間帯があるということがわかりました。部屋の中に溜まった熱を外の空気と入れ替えることができれば、その分エアコンの使用を抑えることができます。ここでは、エアコンの使用を推奨する時間帯と、自粛する時間帯を分析し、使用を控える時間帯にどれだけエアコンを使用していたのかを分析しました。分析にあたっては、エアコンの推奨設定温度が28℃であることから、28℃以上の時はエアコンを使用しても構わないとし、28℃以下の場合はエアコンの使用を控えるべきだと考えています。その結果、室内の全国平均を見てみると、28℃を上回るのが12時~18時、28℃を下回る時間は19時~翌11時になり、夜間は主にエアコンを自粛する時間帯になっていることがわかりました。
「ポールンインサイド」の協力者に、「エアコンを使用するのは主にどの時間帯ですか?」との質問(複数回答可)をし、1時間ごとの選択肢から解答してもらいました。その結果、日中にエアコンを使用するよりも、夜間にエアコンを使用する人の割合が高いことがわかりました。エアコンの使用ピークは、仕事から家に帰ってきたり、夕ご飯を食べる時間と考えられる20時頃でした。また、上記のエアコン使用の自粛時間帯にエアコンを使用している割合を見ると、1家庭あたり1日4時間もエアコンを過剰に使用しているという結果になりました。もし、この4時間にエアコンを止めたとすると、1家庭あたり1日2.4kWh、1ヶ月で72kWhの節電となり、1ヶ月あたりの電気代にすると約1500円になります(1kWh=21円で計算)。これまで以上に外気を取り込みやすい状況をつくることで、さらに無理なく節電に取り組めそうです。
*)算出方法:エアコン1時間あたりの電気使用量を600Wとして計算
今回、「ポールンインサイド」の取り組みに協力してくれた方に、「この取り組みを通して、環境への意識は高まりましたか?」との質問をしました。その結果、“高まった”が52%、“かなり高まった”が26%、“変わらない”が22%となり、約8割の人が環境への意識が高まったことがわかりました。また、「この取り組みで、エコを心がけるなどして、健康面でいい方向に効果はありましたか?」との質問に対しては、“まあまあ”が52%、“効果あり”が28%、“特になし”が20%と、8割の人が健康面での効果があったと感じていることもわかりました。さらに、「これからも、この室内観測を続けたいと思いますか?」との質問に対しては、“続けたい”が81%、“どちらでもいい”が17%、“続けたくない”が2%になり、室内観測を必要と感じている人が8割以上に上る結果となりました。協力いただいた方からは、「夕方は窓を開けることで、室内温度がかなり下がり、エコできていることに気づいた」、「室温と外気温度の違いが良くわかってエアコンなどの使い方に役立った。すごく便利だと思った。冬場も使ってみたいと思っています。」などのコメントが寄せられました。

これまでの「ポールン インサイド」の解析を通じて、室内観測と天気予報で、生活の最適化を実現できる可能性が見えてきました。ピンポイント天気予報を活用し、自分の家の室温傾向を知ることができれば、エアコンの無駄使いや熱中症の危険性を事前に効率よく回避できるようになるはずです。ついついエアコンをつける癖がついてる人でも意識的にエアコンをON/OFFできるようになり、最適なエアコン使用を目指すことができます。
今後は、家の中で、自分の体感が暑いと感じる気温に達したら、熱中症の危険性が高まったとして、メールでお知らせしたり、朝の時点でその可能性がある時にお知らせすることも可能になります。これらの情報を受け取ることで、熱中症になる前に、エアコンを稼動したり、水分補給を行ったり、事前対策に役立てることができます。また、要介護者や子供、ペットなどが家にいる場合、外出先で家の中の状態を携帯電話などで知りたい時に知ることができるようになります。
家の電気使用量は、その日の天気や体感によって変動することがわかっています。その日に雨が降るのか、晴れるのかを予報し、自分の体感がわかれば、電気の使用量の予測が可能になります。節約という面でも大きな味方になってくれそうです。
ユーザーのライフスタイルに合わせて柔軟に対応し、最適な生活を送る手助けとなっている室内観測は、さらなる節約の助けとなっていきます。また、過剰な電気使用が控えられ、CO2の削減やヒートアイランドの軽減など、環境問題の改善も期待できそうです。今後は気温だけでなく、湿度や気圧を測ることで、さらなる可能性の幅が広がり、人々の生活を変えていくきっかけになると確信しています。
ユーザーのライフスタイルに合わせて柔軟に対応し、最適な生活を送る手助けとなっている室内観測は、さらなる節約の助けとなっていきます。また、過剰な電気使用が控えられ、CO2の削減やヒートアイランドの軽減など、環境問題の改善も期待できそうです。今後は気温だけでなく、湿度や気圧を測ることで、さらなる可能性の幅が広がり、人々の生活を変えていくきっかけになると確信しています。