発行日 : 2010年09月07日

2010年度「全国セミ調査」結果発表

『クマゼミ』の生息域の北限、昨年と同じく福島県福島市と判明

~ 生息域はさらに北上の可能性も。新潟県や山形県でも“クマゼミの声が聞こえた” ~

株式会社ウェザーニューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、今夏、全国的にもたらしている記録的な猛暑が、セミにどのような影響を及ぼしているのかを調査するため、全国のウェザーリポーター(*1)の協力のもと、8月15日(日)~22日(日)に「全国セミ調査」を実施し、その調査内容をまとめ発表しました。今年で3年目となるクマゼミの生息域の調査では、クマゼミの生息域の北限が、昨年と同じく福島県福島市であることが判明し、従来、生息域の北限が“関東南部”と言われていたクマゼミが、これまでの調査と同様に、今年の調査でも“関東北部~北陸”に変化していることが再確認されました。また、今年は、クマゼミの姿は確認できなかったものの、新潟県や山形県でも声を聞いたとの報告も寄せられ、今後もクマゼミの生息域の北上には注目していく必要がありそうです。ウェザーニューズでは、今後も利用者と共に継続的に『セミ調査』を実施し、その生態からわかる変化を追うことで、環境変化の実態に迫っていきたいと考えています。

クマゼミ分布図

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『クマゼミ』の北限は福島県福島市

『クマゼミ』の北限は福島県福島市

クマゼミの生息域の変化を調べるため、全国のウェザーリポーターから寄せられた4,705件のリポート情報と、「10分天気予報」で行った、生息するセミの種類の調査(*2)から、クマゼミの生息域を調べました。その結果、クマゼミの生息域の北限が、昨年と同様に福島県福島市であることが判明し、福島県でクマゼミがしっかり根付いていることがわかりました。3年目となる今年の調査でも、引き続きクマゼミの生息域の北上していることがわかり、温暖化やヒートアイランド現象など、環境の変化によりクマゼミの生息域に変化が生じていることが再確認できました。また、今年の調査では、クマゼミの姿は確認できなかったものの、新潟県でもクマゼミの声を聞いたという報告が寄せられ、その報告が継続してあることから、クマゼミが生息している可能性が考えられます。また、山形県でもクマゼミの声を聞いたとの報告も寄せられており、クマゼミの生息域がさらに北上する可能性があります。今回のクマゼミの調査結果をエリアごとに見てみると、昨年同様、九州では、多くの地域からクマゼミの報告が寄せられましたが、山地周辺での生息が少ない傾向にあることがわかりました。第1回の調査から数が少ないとされていた山陰エリアでは、今年もクマゼミの報告が少ない傾向が続いていることがわかりました。また、日本海側では、昨年に引き続き石川県でもクマゼミの姿が確認され、新潟県でもクマゼミの声を聞いたとの報告が寄せられましたが、両県の間にある富山県では、クマゼミの報告がありませんでした。



東日本、猛暑の影響でセミが少ない!?

今年のセミの声は?

今年は、「全国セミ調査」を始める前より、全国のウェザーリポーターの方から“今年はセミの鳴き声が少ない”とのコメントが多く寄せられていました。そこで、調査項目の中で、「今年のセミの鳴き声はいつもの年に比べてどうですか?」との質問をウェザーリポーターの方にし、“多い”“やや多い”“普通”“やや少ない”“少ない”から回答してもらいました。その結果、“やや少ない”または“少ない”と回答した人が41%で、“多い”または“やや多い”との回答の29%より多いことがわかりました。さらに、都道府県別に“少ない”と感じている人が“多い”と感じている人よりも1.5倍以上多い県をみてみると、東日本ほどセミが“少ない”と感じている人が多いことがわかりました。さらに、最高気温が37℃を超える猛暑日の日数と見比べてみると、今年はセミが“少ない”と感じている県と、猛暑日の日数が多い県が東日本ほど一致している傾向にあることがわかりました。37℃以上の猛暑日が9日と最も多かった群馬県では、“やや少ない”“少ない”と回答した人が40%、“多い”“やや多い”は32%でした。続いて、37℃以上の猛暑日が6日だった岐阜県では、“やや少ない”“少ない”と回答した人が51%、“多い”“やや多い”は22%でした。猛暑日が平年値との気温差が東日本・北日本ほど特に大きく、猛暑が何らかのカタチでセミの鳴き声に影響した可能性があると考えられます。


クマゼミの勢力が拡大し、アブラゼミが減っている!?

クルマゼミは増えたと思いますか?

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クマゼミの生息域が北上し、勢力が拡大する一方、ウェザーリポーターの方から“アブラゼミが少なくなっている”との報告も寄せられました。そこで、クマゼミの勢力がどれだけ拡大しているのかを調べるため、調査の中で「ここ数年、クマゼミは増えたと思いますか?」との質問をウェザーリポーターの方にし、“増えた”“変わらない”“減った”“いない”“わからない”から回答してもらい、九州、四国、中国、近畿、東海、関東、甲信、北陸のエリアに分けて結果をみてみました。その結果、九州、四国、中国、近畿、東海で“増えた”と回答した人が最も多いことがわかりました。特に、近畿エリアでは約半数の人が“増えた”と回答している興味深い結果になりました。そこで、近畿エリアの主要2府に注目し、アブラゼミの生息についても調べました。その結果、大阪府は全体の6割以上が、アブラゼミが“減ってきた”と回答していることがわかりました。一方、京都府では、大阪府から電車でもわずか30分という距離にあるにも関わらず、“減ってきた”との回答が全体の5割に満たない結果になりました。大阪府と京都府の環境の違いにより、大阪府では、アブラゼミが生息しにくくなり、京都府では、アブラゼミが生息しやすい環境が保たれているのかもしれません。また、市内と市外で比べてみると、大阪府も京都府も市内の方が“減ってきた”と回答している人が多いことがわかり、アブラゼミにとっては、市外の方が生息しやすい環境なのかもしれません。


アブラゼミの数は? アブラゼミの数は?

(*1)ウェザーリポーターは2006年から携帯サイト「ウェザーニュース」(URL:http://wni.jp)において始まった天気のコミュニティーで、日々身の周りで起こる天気や四季の移り変わりを携帯電話でリポートし、全国のウェザーリポーターとその情報を共有し、空や季節を楽しむコミュティーです。現在登録者は20 万人を超え、一日5千通以上のリポートが届いています。ウェザーリポーターは携帯サイト「ウェザーニュース」の月額105円、315円会員の方ならば誰でも参加することができます。


(*2)「10分天気予報」の項目の中で、「今、何セミの鳴き声が聞こえますか?」との質問に対して、“アブラゼミ”、“クマゼミ”、“アブラゼミ(多)+クマゼミ(少)”、“クマゼミ(多)+アブラゼミ(少)”、“その他”、“鳴いていない” から選択してもらい、この回答をもとにクマゼミの生息域を調査しました。


【参考情報】
 2009年実施の『全国クマゼミ調査』結果(2009年9月9日発表)はこちら
 2008年実施の『全国一斉クマゼミ調査』結果(2008年9月3日発表)はこちら



株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

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海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
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