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Weekly Report

2011.09.20


2011 GIC Weekly Report Vol.7
北極海の再結氷進む

今週のトピック

北極海では気温の低下による再結氷が進み、海氷域は急速に拡大しています。先週のレポートでお伝えした通り、今年の最小域面積は今月9日に記録した397万km2となり、観測史上最小を記録した2007年(389万km2)をわずかに上回り、史上2番目に少ない値となりました。
北極海航路については、現在も北東・北西の両航路が開いた状態が続いています。しかし、結氷域は航路上にも広がりつつあり、今後一週間ほどで北西航路が、また今月末頃には北東航路が海氷で閉ざされる見通しです。

海氷域の分布状況

Sea Ice Extent in the Arctic

 Arctic
 Western Arctic
 Eastern Arctic

図1: (a)-(c) (a)北極海, (b)西半球北極海, (c)東半球北極海の海氷域面積(クリックで拡大)

Ice Image

図2: 北極海の海氷衛星画像(クリックで拡大)

図1は北極海の海氷域面積の推移を示しています。これを見ると、北極海の海氷域が縮小から拡大に転じ、急速に増えていることがわかります。現在の面積はおよそ430万 km2で、先週から30万km2ほど増えています。また、西半球側の面積(図1b)は260万km2、東半球側の面積(図 1c)は170万km2で、いずれも増加傾向にあります。 図2は現在の北極海の海氷域分布を示しています。先週の分布と比較すると、East Siberian海で氷が張り出してきていることがわかります。また、沿岸から離れた高緯度の海域で海氷に覆われていなかった箇所でも海氷が張り出してきています。また、カナダ多島海でも、Larsen湾で海氷が再び張り出してきていることがわかります。

北極海航路上の海氷状況


Sea Ice Conditions Image

図3北東・北西両航路上の各海域における海氷状況

図3は北極海北東航路(図中左、シベリア側)・北西航路(図中右、カナダ側)の航行可能性を示しています。航路状況は先週から大きくは変わらず、北東航路と北西航路の南ルートがそれぞれ開通している状況です。ただし、カナダ多島海で海氷の結氷が進んでいる影響で、北西航路は徐々に海氷で閉ざされつつあり ます。具体的には、Larsen湾で結氷し始めた海氷が航路を狭めているのがわかります。また、現在閉じている北西航路の北ルートは、Viscount Melville海峡の海氷が増加し始めたことで、今期の開通の可能性は無くなりました。

モデルによる今後の予測

図4はウェザーニューズの海氷予測モデル"I-SEE-Engine"の予測結果です。今後も海氷域は急速にすることが予想されており、早ければ今週中にはLarsen湾に海氷が広がり、北西航路が閉鎖となる見通しです。また、北東航路についても、East Siberian海に海氷が広がってくることで、今月末頃に航路が閉じるものと予想されます。

Model Prediction Image

図4: モデルによる北極海の海氷予測.

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