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Weekly Report

2011.10.04


2011 GIC Weekly Report Vol.9
北東航路は今週中にも閉鎖の見込み

今週のトピック

10月に入り、北極海の海氷は急速に拡大し続けています。それによって、北西・北東の北極海航路も閉鎖時期が近づいています。北東航路では、現在はノボシビルスク諸島の北沖約50kmまで海氷が迫り、航路を塞ごうとしています(図1、上)。
モデルに基づく今後の予測では、海氷が更に広がることで、8日頃には諸島の北岸に海氷が到達し、航路が塞がれる見通しとなっています(図1、下)。また、北西航路もLarsen湾での海氷の広がりによって、1〜2週間の内に海氷で塞がれそうです。

Vilkitsky図1:10月3日現在の海氷分布(上)と、8日の予測分布(下)。赤が海氷、青線は航路を示す

海氷域の分布状況

Sea Ice Extent in the Arctic

 Arctic
 Western Arctic
 Eastern Arctic

図2: (a)-(c) (a)北極海, (b)西半球北極海, (c)東半球北極海の海氷域面積(クリックで拡大)

Ice Image

図3: 北極海の海氷衛星画像(クリックで拡大)

図2aは北極海の海氷域面積の推移を示しています。9月30日現在の面積はおよそ460万 km2で、先週26日から約20万km2ほど増えています。また、西半球側の面積(図2b)は280万km2、東半球側の面積(図2c)は180万km2で、西半球側の海氷の増加が進んでいます。
図 3は現在の北極海の海氷域分布を示しています。例年では、Vilkitsky海峡周辺で氷が張り出す時期ですが、今季はまだ海氷が張り出してきていないことがわかります。一方、East Siberian海、Greenland 海周辺では海氷が増加しているのが確認できます。
カナダ多島海においては、先週に引き続き海氷の増加が進みParry Channelを中心として海氷が張り出しているのがわかります。

北極海航路上の海氷状況


Sea Ice Conditions Image

図4北東・北西両航路上の各海域における海氷状況

図4は、北極海北東航路(シベリア側、図中左)と北西航路(カナダ側、図中右)の現在の海氷による航行可否状況を示しています。 先週に引き続き、北東航路と北西航路の南側ルートが開通している状態が続いています。北東航路の方は、East Siberian海の海氷が急速に増加しているため、後数日で航路が塞がれることが予想されます。北西航路の南側ルートでは、Beaufort海の大陸沿岸やLarsen湾の氷が張り出し来ており、特にVictoria島沿岸では海氷密接度が7/10-8/10ほどまでになっており、後数日で航行ルート上も氷で塞がれることが予想されます。

モデルによる今後の予測

図5は、ウェザーニューズの海氷予測モデル「I-SEE-Engine」による北極海の海氷の予測結果です。上で述べた通り、8日頃にはノボシビルスク諸島北岸に海氷が到達し、それをもって北東航路は閉鎖される予想です。その場合、今年の北東航路の開通期間は過去最長の約2ヶ月間となります。また、北西航路についても、カナダ多島海の各所に密接度の低い海氷が広がり、10月前半には航路を塞ぐ見通しです。

Model Prediction Image

図5: モデルによる北極海の海氷予測.

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