発行日 : 2007年05月18日

2007年花粉シーズンに関する傾向まとめ

~ 気圧の動きで花粉飛散のピーク時間が変化! ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、2007年花粉シーズンに花粉症症状を持つ全国の100家族とともに花粉観測を行った「花粉プロジェクト」の結果をまとめ、この度、発表いたしました。

「花粉プロジェクト」は、全国から募集した花粉症家族100組(首都圏23組、各都道府県1〜3組が参加)で花粉の実態を探る取り組みです。この取り組みは今年で3シーズン目を迎え、今までに約150の家族にご参加いただきました。各家族にはウェザーニューズが独自に開発した花粉自動観測機(※右写真)を無償で貸与し自宅に設置してもらいます。その機器で観測された「花粉飛散量」の情報はインターネット回線を通して当社に送信されます。また、各家族の花粉症の方には、携帯電話を使い“くしゃみ”“鼻水”“目のかゆみ” などの具体的な「花粉症症状」を1日1回リポートしてもらいます。これら「花粉飛散量」や「花粉症リポート」の情報は、花粉症で悩む方に役立ててもらうため、インターネットサイト上でリアルタイムでの提供を行いました。今回の発表は、2月1日〜4月30日までの期間、100組の家族と全国花粉症アンケート(3000人)の協力をもとに集められた「花粉プロジェクト」の情報を分析しまとめた内容です。

今年の花粉飛散傾向

今年の花粉の飛散量は、当初の予想通り、例年並〜少なめに推移し、3月中旬は全国的に気温が例年より低かったため、飛散する花粉量は更に少量に留まりました。その結果、本来、飛散時期がスギ花粉とヒノキ花粉とで重複する時期が見られものの、今シーズンは、飛散時期がそれぞれ明確に分れた点が特徴と言えます。スギ主体の東北・北陸・長野は、スギ花粉が前半・後半と分れました。


仙台
長野
金沢
東京
名古屋
大阪
広島
高知
福岡
宮崎

花粉症辛いと感じたのは、“男性より女性”“50代より20代”

花粉量が少なかった昨シーズン2006年は、7割の人が症状は軽かったと回答した一方、今シーズンは、例年並〜少なかったところが多く、症状が軽かった人は4割、辛かった人6割と、昨シーズンに比べ辛かったという人が多く見られました。地域別に見ると今シーズンのスギ花粉は突発的に大量に飛ぶことが多く、花粉症の症状が突然現れ辛いと感じることが前半に多かったようです。近畿と東海では他の地域より、後半に辛いと感じる割合が多かった点が特徴で、ヒノキ花粉が大量発生したことに起因すると思われます。また、男女差でみると、男性に比べ女性が辛いと感じる傾向がありました。年齢でみると、20〜30代が症状として辛いと回答した人の割合が多く、昨年同様、年齢を重ねるとともに症状が軽くなる傾向が見られました。


今年と昨年の花粉症状差
今年の花粉症状(地域差)
今年の花粉症状(男女差)
今年の花粉症状(年齢差)

花粉の飛散パターン(関東のみ)

花粉は晴れた日に多く飛ぶ傾向にありますが、同じ晴れでも高気圧に覆われた場合と、西高東低の冬型の気圧配置の場合とで飛散のピークタイムが異なることが明らかになりました。高気圧に覆われた場合は、朝7時から飛び始め、ゆっくりと増加し、16時くらいにピークを迎え、20時に徐々に収まります。一方、西高東低の冬型の気圧配置の際は、朝7時から飛び始め14時のピークに向を向かえ、20時に収まります。


高気圧に覆われた場合
西高東低の冬型の気圧配置の場合

来シーズンの予測

花粉飛散のもととなる「花粉の花芽」は、主に7月を中心とした夏に作られます。夏の気温が高いと花粉は多く作られ、翌年の花粉シーズンに多く飛散し、その逆に夏の気温が低いと少なくなります。また、夏の気温は、冷たい性質を持つ「オホーツク海高気圧」と、暖かい性質を持つ「太平洋高気圧」の勢力により決まります。今年は「オホーツク海高気圧」が強まる傾向にあるため、その影響を受けやすい、関東〜北日本の気温は“例年並”か、一時的に“やや低め”で推移し、西日本〜中部は“例年並〜高め”の予測のため、関東〜北日本は今シーズン同様《例年並〜少ない》、西日本〜中部では今シーズンに比べ多く《例年並》となる見込みです。



ウェザーニューズでは、花粉症の方にシーズンを少しでも楽に過ごしてもらうため、携帯電話向けサービスとして『花粉症状予測メール』を今年からスタートしました。このサービスは、個々人の症状に合わせ、花粉症が翌日どのように発症するかを前日にメールで知らせてくれるもので、今年は5000名以上もの花粉症の方に利用いただきました。今回、100組の家族のご協力をもと観測した「花粉プロジェクト」のデータは、この『花粉症状予測メール』の更なる精度向上に役立てると共に、花粉症の方に役立つコンテンツの開発に今後活用していく予定です。


◆関連プレスリリース

2007年1月23日:花粉を自宅で観測する100家族を募集

総合気象サイト「ウェザーニュース(URL:http://weathernews.jp/)」について

インターネット向けに提供する気象総合サイトで、「天気予報」「注意報警報」「雨雲レーダー」などの基本的な気象コンテンツはもとより、「台風」「地震」などの防災コンテンツ、「ゴルフ」「スキースノボ」などのレジャーコンテンツ、そして、「花粉」「桜」「紅葉」などの季節コンテンツなど気象に関するあらゆる情報をこのサイト一つで入手することができます。その他、自分だけのトップ画面にパーソナライズできる機能や、自分専用に天気予報をカスタマイズすることができるコンテンツ(有料月額315円)など、気象情報を活用しより快適に生活を送ってもらうためのサービスや取り組みを、日々展開しています。

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。